九校戦編〈下〉
九校戦五日目(1)×氷柱作り見学とエイミィの破壊方法
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然或いは非公然と魔法師の国際結婚を禁止するようになったが、表向き婚姻の自由を標榜する日本では非公然らしいけど。一般人達の祖父母世代では、「優秀な血」の「交配」によってより優れた魔法師を「開発」すると言う目的から、同盟国間で魔法師の国際結婚が奨励された時代だった。結果、魔法科高校には全高校の平均を上回る比率で、西欧系及びインド系の血統を持つ生徒が在籍している。
レオもその一人でエイミィもだけど、早撃ちでも一緒になったのだが既に打ち解けていて、名無し=俺というのは知っている。というのも、エイミィや担当する女子選手達も打ち解けているので問題はない。深雪とエイミィが話し込んでいたので、その間に俺はケースからデバイスを取り出してチェックしてから手渡す。少女の手には似合わないと思うのは俺だけかもしれんが、全長五十センチの無骨なショットガン形態・汎用型CAD。反動を考慮してないが、俺らが使う実銃のショットガンよりも軽量化されてはいる。普通の拳銃形態よりも重量あるが、ウエスタンのようにクルクルと振り回し窓の外へ向けてピタリと構えを取っていた。ちなみに本来なら特化型のだが、これも俺特製のなので汎用型となっている。
「・・・・エイミィ、本当はイングランド系ではなくステイツ系じゃないのか?」
「一真君まで、まあ深雪も何度もそう言われているけど違うと言っているよ。グラン・マの実家はテューダー朝以来『サー』の称号を許されているんですよ」
1485年〜1603年に英チューダー朝、ゴールディ家にサーの称号を許すとどっかの歴史書に書かれてた気がする。口にした内容で反しているが、そのままのポーズでデバイスに想子を流す。いつの間にセーフティを解除したのか、俺のとはまた別の意味で鮮やかなデバイスアクションである。
「どうだ?」
「うーん・・・・いつもよりも力が違うかもしれない。こりゃ、雫の気持ちが分かる気がする」
大富豪・北山家のご令嬢である雫が、俺を「お抱え」にしようとよくアプローチしていたのを見ていたエイミィだったが、その意味がやっと分かったように見えた。その事については、一年女子チームの間に知れ渡っている。他の調整者と俺がやるだけで全く違うと言うほどだから、一年女子は出来れば見てほしいと言っているが上級生の調整者のプライドをぶっ壊すぐらいあるから断ってる。
「問題はなさそうだが・・・・どうかな?」
「うん!バッチリ〜」
構えを解いてニコッと笑うエイミィだったが、ルビーの髪とモスグリーンの瞳以外は日本人の血が入っているので、他の一年女子と比べれば同級生というより少し子供っぽい印象がある。今の笑みも「ニコっ」ではなく「にぱっ」という無邪気な笑顔だった。
「ふむ・・・・少し調整するからちょっとだけ動かないでくれ。調整する」
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