十一話
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れからも一般人を巻き込む様な行動を起こすのなら厄介だ。
「せっかくの修学旅行だが、警戒は密に頼む」
「分かりました」
しかし、結局のところ此方は後手に回るしかないのだ。歯がゆい気持ちを抑えながら、私はカエルを処分するためにひとまず車両を後にした。
京都に到着後、私達は最初の目的地である清水寺へと向かった。念のためバスでの移動中も警戒を怠らなかったのだが、特に何事ともなく到着した。だが、安心して良い訳が無い。新幹線で仕掛けてきたからには此方の予定を既に把握していると見ていいだろう。道中仕掛けてこなかったのは先回りして罠を、と考えることもできるからだ。
「やれやれ、気が重いな」
「気持ちは分かるけどね、隣でそう重いため息はついてほしく無いな」
現在は全体行動中であり多少は融通が利くこともあって私は真名と少し先行して進んでいる。また何かしかけているとも分からんしな。
「先生、早速だ」
そう言って真名が指さしたのは恋占いの石と呼ばれる二つの石の丁度中間地点だ。注意深く観察すると、なるほど。
「落とし穴か」
「しかも意外と深いみたいだ。それに、新幹線の時の式もいるね」
正直、敵が何を考えているのかが分からなさ過ぎて頭が痛くなった。こんな場所に仕掛けたら、麻帆良の生徒でもすらない一般人がかかる可能性もあるだろうに……
「とりあえず、処理するか」
魔法を使って処理をするのも面倒なので、落とし穴の縁に立って右足を前方へと勢い良く踏み下ろす。するとズボッという音とともに落とし穴がその姿を現した。周囲の観光客が眼を見開いて此方を見ている。まあ、当然か。
「すみません、どうやら誰かが悪質な悪戯をしたようです。連絡をしてほしいのですが……」
「あ、ああ。すぐ呼んでくるから待っててくれ!」
近くにいた方にお願いすると、すぐに人を呼びに行ってくれた。そう言えば、こういった場所で働いてる人たちは公務員とかなのか、それともちゃんとした職として存在しているのか……そんなどうでもいいことを考えながら、誰かが近寄らない様にその場に立ち続けた。
「ういー」
「けぷっ」
「もっと、うぃっく……のませろー」
落とし穴の件は警察を呼ぶにまでなったらしく、そこそこ待たされた後簡単な聴取を受けた。そのため生徒たちの引率は新田先生にお任せした。だが、追いついて見ればどうだ……3-Aの生徒達が十人ほど酔いつぶれているではないか。
「ネギ先生!」
「新田先生、これは一体……」
何やら物々しい様子で見知らぬ人と話していた新田先生に声をかけられた。話の内容は十中八九、この惨状についてだろう。
「どうやら、悪戯は落とし穴だけではなかったようです」
「
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