十一話
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ギ先生」
「おはようございます。先生方はともかく、皆早いな」
「待ちきれなくて始発で来たよ!」
そんなに早くくるとは、よほど楽しみだったに違いない。だが、そんなに張り切って最後まで持つのだろうか? 持つんだろうな……このクラスなら。違和感なくそう思えてしまった自分が、少し悲しくなった。
「ネギ先生、初めての大きな行事で緊張するかもしれませんが私たちも出来るだけサポートしますので、頑張って下さい」
「ありがとうございます、新田先生。3-Aを上手く引率できるかは正直不安な所ですが、力は尽くします」
生徒たちから一端離れて一息ついていた私の元へ新田先生が声をかけてくれる。この人のこんな所が卒業後も……いや、卒業してからより好かれる様になる理由だろう。年度初めは就職、進学後に相談に来る生徒も多いみたいだしな。
時間も経ち、ついには新幹線に乗り込む時間となった。エヴァ、茶々丸、相坂が欠席したことで残された六班の二人をそれぞれ刹那は護衛対象の近衛がいる五班に。レイニーデイは雪広の三班に混ぜさしてもらった。近衛に積極的に話しかけられている刹那は戸惑いながらも此方を恨めしげに見てきたが、修学旅行には自由行動なんてものもあるのだ。一緒の班にしなければ護衛など不可能、と言うことで無視した。
さて、楽しめる可能性が限りなくゼロと言う最悪の修学旅行へ、出発だ。
新幹線。小さな男の子なら一度は憧れを抱く乗り物。麻帆良学園の修学旅行、京都への足として使われたそれのある車両は、現在混沌の空間と化していた。
お喋り、飲食、カードゲーム……各々独自の方法で道中を楽しんでいたはずなのだが、私がトイレから帰ってくるとどうだろう。車両は大量のカエルで溢れかえっていた。
「龍宮」
「ああ、これは式だね」
軽く威圧しても全く動じぬカエル達に召喚されたものではなく気で具現化しただけの式だと分かった。念のため魔眼を持つ真名に確認したのだから間違いない。
「桜咲は?」
「カエルが他の車両に行かない様に結界を張りにいったよ」
それはありがたい。こんな嫌がらせで他の乗客に迷惑がかかるなど勘弁してほしい。
「回収するぞ」
「あまり触りたくないんだけどね」
古菲を中心とした逞しいメンバーに協力してもらい、カエルを袋に回収する。この程度の式なら殴れば消滅するのだが、それが出来ないのが辛い所だ。やはり、一般人の生徒がいると対処が酷く難しい。
「先生」
「桜咲か。ご苦労だったな」
「いえ、それが私の仕事ですから。それと、術者を探しましたが発見はできませんでした」
「そう、か」
こんな事をしかけてきた相手だが、早々見つかる様なへまはしないようだ。まだどの程度の相手なのかは知れないが、こ
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