第1章 追放の身
◇4
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「行ってきまーす!!」
「早く戻ってこいよー」
ヴァリの声がして、私は港を出る。
ローマからエジプトへは、遠い。
何てったって地中海を渡んなくちゃならない。
確かに風とかは外海よりは割りとましなんだけど、カルタゴがウルサ…黙ってないのだ。
いつもいつもいつも(×100)ローマを目の敵にして商売で繁栄してきている都市、カルタゴ。
そう、都市なのだ。
だけど…
五月蝿い。
「ふおおおおおーすごーい!!」
「エルファイアの娘さん、見てる暇あるなら手伝ってくれや。」
「了解!」
この船は、わがエルファイア家の古くからの親戚筋の船主が、今回の私の旅のため、本人曰く「ちょっとした旅行☆」も兼ねて出した船だそうだ。
「ちょっとした旅行☆」が、実は『遺跡荒し(トレジャーハンター)』なのを知っているだけに、どれくらいのエジプト古代王家の墓が襲われるか心配だ…。
だって本人、「王家の呪い?あるわけないでしょせっかくお金あるのに誰もよらないんだもの何てライバルのいない(略)」とかいってるからな…。
とにかく、乗ってるのは熟練信用のある旧知の皆さんだけだから、気楽なものだ。
それだけに客人のわりに割りと容赦なく水夫の仕事を任せられるのはなかったことにしよう。うん。
男尊女卑はしない、というわが家の方針によって、女の私でも容赦なく力仕事を任される。信頼されてるってことだ。
素直に、うれしい。
「おいっ!!ありゃなんだ!!」
「ん?ちょっとそこどけ…っああっ?」
「どうかしたか…?」
「おーい!カルタゴの奴等だぞー!」
か、カルタゴォ?!
まさか私の航海中にも出会うとは…おもわなんだ…。
「全員位置につけぇー!これからは俺が指揮を執る!!」
「アイアイサー船長!!」
緊急体制に入り、皆さんそれぞれの武器を手に取る。
海賊ではないとはいえ、あくまでも好敵手、カルタゴ。
どんな乱暴な手段を取るかわからない。
「ソーラ!!」
「船長さん!私もオッケーですよ?どこの家の子だと思ってます?」
「そうか…そうだったな。」
暗殺一家、エルファイア。
別名が『冠の蛇』。
カルタゴの乱暴者…私がお相手してあげましょうっ!!
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