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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『祭』〜後夜祭〜
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白式』のコアを、ですね。今のところは希少なISの強奪が目的とも思われます」

「ふむ……しかし奴らの真の目的というのがイマイチわからんな」

「というと?」

「ISというのは……言ってしまえば切れすぎる刀だ。そういうのは得てして使用者も傷つける。ISの強奪などそれこそ国家の問題だ。それが複数国に対して行われれば当然その国々は対策を考え、最終的には組織を潰しにかかるだろう。IS3機といえば小国家並みの力。強すぎる力は禍しか呼ばない。そんな力を手に入れてどうするのかと、ふと思ってな」

 何か思うところがあるのか箒さんは一瞬だけ自虐的な笑みを浮かべた
 その笑みの意味は分からないが、言われてみれば箒さんの言葉は確かにそうだ。ISが3機もある時点で戦力としては十分。それに操縦者は誰もが国家代表並みかそれ以上の実力者だ。確かに意味がわからない。

「世界制服とかか?」

「ふふ、それこそ映画の話でしょう?」

「確かにな。まあ考えてもわからんものはしょうがない。今日はもう寝よう。明日は片付けもあるしな」

「はい」

 そういうと箒さんはベッドに潜り込んだ。私も着替えて眠ろう。そう思ってボタンを外し、ハンカチを洗おうとポケットに手を入れて……なにか硬いものが入っているのに気がついた。

「これは……名刺?」

 あ、そういえばデュノア社の名刺だけ抜いちゃったんだけっけ。あとで一夏さんに渡しておかないと……そう思い机の上に置こうとしたとき、気づいた。
 これ、重なってる?
 多分静電気か何かでくっついてしまったのだろう。少しだけずれて二枚目の白紙部分が見える。
 ペリペリと軽くはがすとやはりもう一枚名刺がくっついていた。結局2枚名刺を隠してしまっていたことになる。……うん。明日返そう。
 そう思いなんとなくその名刺を確認したとき……私の目が止まった。

「『IS装備開発企業『みつるぎ』渉外担当、巻紙礼子』……」

 さっきの事情聴取で一夏さん言っていた、亡国機業の一人が接触してきた時に使った名前だった。
 私は箒さんに見つからないようにその名刺を机の引き出しの奥にそっとしまい込むと、ISの秘匿通信でクロエに呼びかけた。

「クロエ? 今大丈夫?」

『なんだよ……こちとら今も花火筒取り外してる最中なんだぞ。全くなんであんな重いもんを……そもそもカルラが断らなければこっちに話が回ってきたりは……』

「ごめん、その話はまた今度埋め合わせする。今は大事な話があるの」

『……おっけ、聞くよ』

 愚痴っていたクロエも私の様子に声が真面目になる。

「今度の週末行きたい場所があるの。日本に残れる?」

『多分大丈夫だと思うけど……場所は?』


「IS装備開発企業……


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