『祭』〜後夜祭〜
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どうかは別問題だ。現状は駒も足りない。なら次に打てる最善の手を打つしかない。勝負は先を読んでこそ勝ち目が出てくる。そう……
「ああ、織斑千冬だ。認識コードは……」
亡国機業との戦いはこれから始まるのだ。
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「ジャンヌ、駄目だ! 時間だ! これ以上は炎弾の迎撃が間に合わなくなる!」
「く!」
IS学園上空では未だに『サイレント・ゼフィルス』を相手にラリサとジャンヌが戦いを演じていた。既に1時間近い空戦にも関わらず『サイレント・ゼフィルス』に目立った傷がついていないのは国家代表の二人にとって屈辱以外の何物でもない。
ラリサの通信でジャンヌは最後の一撃とばかりに右手のトンファーで『サイレント・ゼフィルス』のエネルギーライフルを狙う。が、それも上昇され避けられる。
「ジャンヌ! 離れろ!」
ジャンヌと敵が離れたのを見てラリサは両肩と両足についたミサイルポッドからミサイルを全弾射出する。各25発ずつ、合計100発の対IS用小型ミサイルが3人の間を埋め尽くし、噴射口から排出される白い煙が雲のように辺りを覆い尽くす。そして、爆発。煙は爆風で全て吹き飛び、赤い爆炎が視界を埋め尽くした。
しかし……
「くっ、やはり……」
「全弾……撃墜ね」
BT兵器によりミサイルは全てが『サイレント・ゼフィルス』に当たる直前に撃墜されており、無傷の機体が二人をあざ笑うかのように浮いている。
二人としては千冬の命令に従って炎弾の迎撃に向かいたいところだが、目の前のこいつがいる限りやすやすとさせてくれるとは思えない。二人が再度攻撃しようと身構えたところに、急に警報が鳴り響いた。
「なんだ?」
「IS学園から上がってくる機体? 『アラクネ』?」
二人が捉えたのは見るも無残な姿になった『アラクネ』だ。背後に本来あるはずの装甲脚はたったの2本しかなく、いたるところから煙を噴いている。
この状況でこちらにむかってくるということは明らかに敵だ。敵でなくとも不確定要素は排除するべきと考えたラリサは、瞬時に75口径アサルトカノンを右手に展開すると眼下の『アラクネ』に向け引き金を引いた。
撃たれた『アラクネ』は回避行動をとるが、ラリサは回避先を読みつつ左手に45口径のサブマシンガンを展開し行く手を塞ぐ。通常の『アラクネ』ならこの程度では怯みもしないだろうが、既に満身創痍の『アラクネ』は回避先が読みやすい。アサルトカノンの弾に当たらないようにするのに精一杯でサブマシンガンの弾雨には面白いほどあたってくれる。
(動かない?)
ラリサが『アラクネ』に攻撃を開始した段階でジャンヌは『サイレント・ゼフィルス
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