暁 〜小説投稿サイト〜
剣の世界の銃使い
世界は狭い
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に入ってしまったため、手持ち無沙汰になってしまった。エギルの邪魔でもするかと思っていると新しい客が入ったので、

「いらっしゃいませー」

と、特に気持ちもこもってないあいさつをしてみる。
俺も自分の店でもないところで、見知らぬプレイヤーにこんな真似はしないのだが、今入ってきた客は俺の顔見知りだった。

「なんだ、レイトかよ。こんなぼろい店に店員でも雇ったのかと思ったぜ」

「あのエギルがか?そんな事ありえんだろ、クロノ」

入ってきたのは黒の剣士ことキリト。今日は知り合いに良く会うな・・・。

「クロノも買い取りか?」

「ああ、珍しいのが手に入ったからな」

「へぇ、トレードの時でいいから俺にも見せてくれよ」

鑑定に夢中になっていたエギルに声をかけ、キリトのトレードウインドウを覗くと、S級のレアアイテムがそこにはあった。

「おいおい、S級のレアアイテムじゃねえか。《ラグーラビットの肉》か、俺も現物を見るのは初めてだぜ・・・。キリト、おめえ別に金には困ってないんだろ?自分で食おうとは思わんのか?」

「そうそう、こんな機会二度とないぜ?ラグーラビットって言ったら、アインクラッド三大珍味の一つじゃないか」

アインクラッド3大珍味とは、料理専門ギルドが合同で出している本に載っている食材のことだ。俺もまだ一つしか食べたことはない。せっかく手に入ったのだし、もったいないとは思うのだが・・・。

「思ったさ。多分二度と手には入らんだろうしな・・・。ただなぁ、こんなアイテムを扱えるほど料理スキルを上げてる奴なんてそうそう・・・」

そこまで言ったところでキリトの肩をつつく女性。すると、キリトはつつかれていた手を逆に掴み返し、振り向きざまに、

「シェフ確保」

言い放った。

「な・・なによ」

いかぶしげな顔で後ずさる女性。てかクロノよ、それ下手したらハラスメントに引っかかるぞ?

「お久しぶりです、アスナさん」

目の前でキリトに手を掴まれている女性は攻略組のトップギルド、血盟騎士団こと《KOB》のナンバー2のアスナ。
SAO内でも珍しい女性プレイヤーの一人で容姿も非の打ち所がない。そこまでなら、シリカやレナもそれに該当するのだが、その上トップギルドの副団長とまで来ると、逆に知らない人の方が少ないだろう。
閃光なんて二つ名を持ってることだし。

「あれ、レイト君も居たんだ?」

俺にはアスナ、というかKOB自体との付き合いが少なからずある。基本的にいいギルドなのだが、少々硬いギルドでもあるかなと俺は思っている。まあ、聖竜連合なんかよりはずっとましだが。
それにしても、いまだにアスナの手を掴んでいるキリトに対しての、アスナの護衛の視線が凄いこと・・・。やっぱアスナさ
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