世界は狭い
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珍しいこともあるもんだ」
珍しいって、まあ事実なんだけどな。いつも来るの午前2時くらいだし。
「2時ですか!?」
そんなに驚くことか?MMOなんだし、その時間帯に活動してる奴らもいなくはないと思うんだが。あれ?俺口に出してたか?
「で、そちらのかわいいお嬢さんはどちら様で?」
「シリカだ。俺のパーティで───」
「先輩の彼女さんです」
言いかけたところでレナの妨害を食らう。余計なことを・・・。
「レナちゃんも来てたのか」
「はい、エギルさん。私はいつもので」
エギルがレナに気づいて声をかける。それにしても、2人が知り合いだったとは・・・・。世界は広いようで狭いな。
「にしても、レイトにも春が来るとはなぁ」
「僻みかよ?いい年して」
「残念ながら、現実に嫁さんがいるもんでな。伊達にお前らより年食ってない」
なんか言葉の使い方が違う気がするが、エギルは嫁持ちだったのには少し驚いた。道理で他の奴らと視線が違うわけだ。
まあ、妬まれるよりはましだが。
「いつも通り、買い取り頼むわ」
「はいはい、今回も期待してますよっと」
ちなみにまだ俺とシリカは《結婚》はしていないため、アイテム欄は共有にはなってない。エギルは俺が出したトレードウインドウを覗くと、目を丸くしてこちらを見つめてきた。
「良くこんなに貯めたな・・・全部俺のところに売り払っていいのか?」
エギルが言っているのは、俺が出した品の中に、色々な生産スキルで使うアイテムが混じっていたからだろう。一つ一つその専門の場所に持っていけば、もう少し高くなるのだろうが・・・。
「構わないさ。だったら、お得意様って事で少し色をつけてくれれば結構」
「ちょっと待ってろ。これだけの量だ、それなりの値段で買わせてもらう」
エギルはそのまま俺の出した物を鑑定スキルにかけ始めた。目標達成のためにある程度高値がつくといいんだが。話が一区切りしたのを見計らって、レナが話しかけてくる。
「それで、先輩!何を買うんですか?」
そういえば、さっきは話せてなかったな。
「ログハウスを買おうと思ってな。俺ら二人ので」
「一緒に暮らせますし、色々都合がいいんで」
そう、俺らが買おうとしているのはログハウスだ。SAOでは結構高めに設定されているため、ほとんど買う人はいない。だが、一つの現実となってしまったこの世界では、個人の空間は必要なものになった。それで、シリカから提案があり、ログハウスを買おうということになったというわけだ。毎月部屋代を払うのが面倒になったのもあるが。
「ログハウスですかー。買ったら、私遊びに行ってもいいですか?」
「もちろんです!」
シリカとレナが話し
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