『彼』
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が一番でしょ♪」
それを見て幹凪は笑っている。
喰種捜査官の人間は大抵は2つのタイプに分かれる。
1つ人間を守る。喰種を殲滅する。喰種に憎しみを抱く人間。
2つ自分以外の人間に興味ない。虐殺が好き。悲鳴を聞くと落ち着く。人間を殺したい。
大体に分ければ『普通』と『異常』だ。
私の相棒『パートナー』は誰が見ても一瞬で判別出来る『異常』だ。
「君のクインケは殺傷力が低い分。
攻撃回数が多い。
尋問は私の役割だ。
君は何も何もするな」
「ま、情報を聞き出すのに支障が出てるのも困るんで。
そろそろ自重しますかね」
クインケ『千本桜』を特別なケースに収納、幹凪は壁側まで歩き野田を監視する。
変な行動をすれば大義名分で野田に攻撃を加える為に攻撃態勢を保ち監視に目を光らせる。
説教しても叱っても怒鳴っても怒っても始末書を書かせても彼は変わらない。
人間、簡単に変われないと言うが彼が代表格だと私は思う。
「本当に済まない。
大丈夫か?」
「い・・・・・・い、痛い」
傷が次々と癒える。
再生能力が異常な喰種 野田の怪我は大体、完治した。
本当に・本当に凄い。戦闘力が低くても充分過ぎる回復力だ。
「さて、続きを始めよう。
今度は絶対に彼の妨害は受けない。
安心して良いよ」
優しく微笑むが野田の目は私を信じていない目だ。
当然だな。拘束され情報を吐かされ拷問に近い攻撃を受けている。
交渉は絶対に守るが・・・野田は私達を警戒している。
「ボスが・・『アイツ』に『彼』が喧嘩じゃないな。
共食いした」
「17区のボス・・・・エスレート『黒鉄のザンジ』」
「もう、死んだよ」
悲しい声、冷めた声で野田は言った。
「『彼』は異常だ。
一瞬でボスの心臓を貫き、体を分解した」
「その『彼』の特徴は?」
「蒼いコートで全身を覆ってて性別は解らなかった。
でも・・・普通の喰種と決定的違いが有る」
「決定的違い?」
「瞳が・・・・蒼色なんだ」
瞳が・・・蒼色?
普通の喰種の瞳の色は赤黒だ。
瞳が蒼色の喰種なんて聞いた事がない。
「蒼色の・・・瞳(笑)」
壁を利用して寛いでいる幹凪は吹き出した。
「良いじゃん良いじゃん。
カッコイイじゃん!」
髪をクシャクシャに掻き回し呆れる笑い方で笑う幹凪はピエロに見える。
面白い点は別に先程の会話に含まれてないと思われるが?
幹凪が正常なのか?幹凪が異常なのか?私が正常なのか?私が異常なのか?
「本当・・・・・・なんだ」
「その蒼色の瞳の喰種を目の前に見せてくれれば信じるかもね」
「嘘じゃ・・・ない」
「嘘か本当か。
実物本人を見ない限りは無理だね」
一理有る言い方、初めて聞く蒼色の喰種の存在に戸惑いを覚える。
「新型の喰種と考えて調査した方が良いか
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