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魔法薬を好きなように
第30話 敗戦か
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新年2日目の朝の気分は最低だった。

昨晩の『アンドバリ』の指輪を取り戻すという、水の精霊との約束は、はたせるかもしれないが、その相手は悪すぎる。ガリア王国のジョゼフ王の使い魔が、レコン・キスタに指示を出していたとは。
まあ、役割としては、ジョゼフ王からの指示をそのまま伝えているのと、『始祖のオルゴール』を探しているということ。それに、今回はサウスゴータの街にいる人間を操るということだが、始祖の降臨祭の最終日にレコン・キスタも襲ってくるということだ。一応、レコン・キスタには始祖の降臨祭の最終日に「ガリアからも挟撃する」との話を伝えろとの指示もでているらしい。そんな日に実際に軍行動をおこなえば、ガリア王国での内乱も考えられる内容だ。
ここの水場のあとは、首都であるロンディニウムに戻って指令を待つだけということなので、ジョゼフ王の考えがわからないなぁ。

シェフィールドを捕獲してきても、はたしてこちらの軍部が動いてくれるのか自信はないし、ガリア王国を直接敵にまわしたら、トリステインどころか他の国全部とも相手をできるだけの両用艦隊を有している。トリステインはサウスゴータの侵攻時に、魔法兵器と思われるものも、使われた形跡はないし、すでに新兵器は尽きていると考えるのが筋だろう。
ようは、手を出そうが出すまいが、ジョゼフ王の手の上にいるということだけを認識しておいて、あとは、自分の命を大切にすることにした。今の俺の場合、アンリエッタ女王にそこまでの忠誠心も無いからなぁ。

結局おこなったのは、マチルダ・オブ・サウスゴータが、土のトライアングルとのことで、『アンドバリ』の指輪に水石が無い贋作を作らせて、途中で見つからないところに放りだしてもらうのと、ワルド元隊長と一緒に逃げ出してもらうことだった。まあ、『ギアス』の魔法をかけられたこと自体、2人とも記憶に無いはずだが、保険のために、どこかでつかまって、今回のことを追求されたら、自殺するように強制もしておいた。

とりあえず、シェフィールドには、ワルド元隊長とマチルダ・オブ・サウスゴータが、『アンドバリ』の指輪を持ち出して逃げたという状態のように見せて、テントの中でそのまま眠っていてもらうことにした。



俺の方は、これから目立たずに、始祖の降臨祭の最終日にアルビオンが襲ってくるのと、山地の水源地にディテクト・マジックではわからない、アルビオン側の命令を聞く毒が仕込まれたという情報を、1日あたり何人かずつへとギアスの魔法で刷り込んで、まわりに広まるようにした。

これを聞いて始祖の降臨祭の最終日の前日に、俺は最終日の対応を念のためにおこなっておくという姿勢を、見せるということにしている。

ここの駐留司令部が、どこまで対処するかだが、始祖の降臨祭の最終日の前日になっても連絡がこない。こ
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