第30話 敗戦か
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れは、あくまでデマだと考えているのだろう。全体で組織だっての行動は、まず不可能と考えて、自領の領民と、組んでいるモンモランシ家の領主に話をして、同じ対応をすることになった。水の精霊を怒らせるような人物ではあるが、過去に似たような前例があったというのを知っている、というのはさすが水の名門だ。それでも、軍部への影響力が低下しているので、モンモランシ家と比較的親しい貴族が、王軍とは別に諸侯軍として、こちらと同じことをするだけになったのだが。
そして、降臨祭の最終日。『アンドバリ』の指輪によってつくられた毒に、通じていると思われる水を飲んだ可能性があるものは、すべてしばりあげておいた。
そしておこったのは、朝の内の断続的な爆音だった。さも、噂が真実だったのかっと驚いた風にして、街中の司令部に副官を行かせたら、
「諸侯軍はロサイスまで移動せよ、との指示がでるそうです」
との報告を受けた。意外だったが、噂だけでも流しておいてよかった。補給物資を少しでも多くもって移動して、トリステインへ戻るというのが、俺のたてた作戦だったが、一緒に行動するモンモランシ家では、慰問隊の一部も助けるというのだった。司令部はモンモランシ家と同じような考えだが、割り当てられたのは慰問隊の1軒を護衛しながらロサイスまで移動、実質の退却だが、まだ明示的にトリステイン王国への移動までは結論をだせないらしい。
少なくとも噂が流れていただけ、全面的壊走という事態はまぬがれているような雰囲気だが、一体いつまでもつかわからないというところが真相だろう。そう思いながら、サウスゴータの街を離れることになった。
こちらは補給物資を積んだのと、慰問隊も待っていたので、食料をもってこなかった相手には、食料を配給しながら撤退していくと、当初予想していたより時間がかかっている。それでも、食料が減り、重量が軽くなっていくと、ロサイスの直前ではかなり早く移動できるようになった。
ロサイスにつけば、まずは慰問隊をトリステインへ返すこと。ここまでは、ド・ポワチエ将軍いや、元帥としての最後の命令だった。そのあとにこのロサイスでの連絡ががりをしている副官から
「ド・ポワチエ元帥がシティオブサウスゴータで、戦死されたとのことです」
「それでは、シティオブサウスゴータは再度、敵軍にわたったんだな?」
「はい。詳しい状況は、まだはっきりしませんが、首都ロンディニウムから、アルビオン軍が出撃したそうで、兵力はこちらの連合軍が約3万5千に、アルビオン軍が6万5千になりそうとの情報も入手してまいりました」
「普通に考えたら、我々、諸侯軍が先に空船でトリステインで、残った王軍が空船に乗り込むまで時間稼ぎといった作戦になるだろう」
「そうだと思います。領主代理」
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ