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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第17話 「切り札」
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で凌ぎきれるかな?)

実力なんて比べるまでもない。IS操縦において一夏が鈴に勝ってる部分など一つとしてない。それは鍛えた俺が一番分かっている。だが、それを覆すために何が必要かは一夏の方が知っている。俺には欠片ほどもないが、一夏は誰よりも強いそれを持っている。それが一夏の強さだ。

『・・・鈴。』
『な、何よ?』
『本気でいくからな。』
『な、何よ・・・、そんなの、当たり前じゃない!とにかく、格の違いってのを見せてあげるわ!』

『龍咆』と『双天牙月』を併用し、一夏を追い詰めようとする鈴。それを防御または回避しながら動き回る一夏。先程と似た構図だが一夏の動きが違う。距離をとろうと後退を意識していたが、今は鈴の周囲を旋回している。どうやら鈴を撹乱し、隙を作るのが目的のようだ。

「織斑くん、何かする気ですね。」
「瞬時加速(イグニッション・ブースト)だろう。私が教えた。」
「瞬時加速?」

山田先生の言葉に淡々と答える千冬さん。その答えに食いつくセシリア。いや、仮にも代表候補生なら瞬時加速くらい知っててほしいものだが・・・。まあ、箒も知らないだろうし解説しよう。

「瞬時加速はIS戦闘における格闘特化技能の一つだ。後部スラスター翼からエネルギーを放出してそれを圧縮、再放出することで爆発的な推進力を得る。他の格闘技能の基礎となる技術だ。」

二重瞬時加速(ダブル・イグニッション・ブースト)や個別連続瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)など、活用法は多岐に渡る。セシリアは射撃、それも狙撃を中心とした戦闘スタイルだから、特に必要がなかったんだろうな。

「織斑先生自ら教えたんですか?」
「そこの小僧に頼まれてな。」

千冬さんの言葉に管制室にいる全員の視線が俺に集中する。小僧呼ばわりとはなかなかムカつく。まあ、文句なんて言おうものなら何をされるか分かったものではないので仕方なく我慢するが。

「例の五本勝負の件だよ。一夏にIS操縦を教えてくれるように頼んだんだ。内容は千冬さん任せだったけど。」

瞬時加速をたった一週間で覚えさせるとは驚いた。一夏の覚えの良さもあるだろうが、やはり千冬さんの手腕に依るところが大きいのだろう。俺は教えるのあまり上手くないからなぁ・・・。

「出し所さえ間違えなければ、アイツでも代表候補生と渡り合える。しかし・・・、通用するのは一回だけだ。」

千冬さんが表情を険しくする。瞬時加速はその性質から奇襲攻撃として使われることが多い。一度使えば当然警戒される。もちろん、奇襲だけが取り柄ではないが、それ以外の使い方を一週間で叩き込むのは千冬さんでも無理だったのだろう。

(そこら辺は、大会後に教えなきゃかな・・・。)

映像に視線を戻すと、相変わらず一夏はひた
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