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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第17話 「切り札」
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のブザーが鳴り響いた直後、一夏と鈴が同時に動いた。一夏の『雪片弐型』が鈴の展開した大型の青竜刀に弾き返される。大型ブレード『双天牙月』、《甲龍》の主力武装だ。

『へえ、初撃を防ぐなんてやるじゃない。けど・・・。』

もう一本の『双天牙月』を展開した鈴は二本を連結、再び一夏に襲いかかる。縦横無尽に舞う刃に防戦一方の一夏。武器の重量も相まって明らかに力負けしている。ジリ貧だな。

「ああもう、わたくしの教えた三次元躍動旋回(クロス・グリッド・ターン)を使いなさいな!」

隣で見ているセシリアが躍起になって言う。あの技術は一夏にはまだ早いって・・・。さて、一夏はどうするのかな?

(・・・お、動いた。)

一夏は距離をとって仕切り直しを図る。うん、正解。《白式》は性質上消耗戦に弱いからな。不利な状況が長引きそうなら身を引くべきだ。ちゃんと教えたことが身についてるようで何よりだ。

『・・・甘いっ!』

その鈴の言葉の直後、一夏がまるで見えない拳に殴られたように吹っ飛ぶ。何が起きたか、まったく視認できなかった。《甲龍》の非固定浮遊部位に動きがあったように見えたが・・・。俺はすかさず『天眼』を起動し、事態の確認を開始する。

『今のはジャブだからね。』

鈴の不敵な笑みを合図に、再び一夏が吹っ飛んで地面に叩きつけられる。・・・なるほど、今度は確と見たぞ。面白い兵器だな。

「何だ、あれは?」
「わたくしにも何とも・・・。」

流石に箒とセシリアは分からなかったらしい。まあ、あれが視認できたら人間超えてるだろう。じゃあ超人のブリュンヒルデは・・・、相変わらずの無表情と沈黙。読み取れん・・・。

「『衝撃砲』だな。空間自体に圧力をかけて砲身を生成、余剰エネルギーを砲弾として打ち出す。第三世代兵器だ。」

肩部大型衝撃砲『龍咆』。初見で相手にするには厄介な武装だ。俺でも間違いなく直撃してただろう。試合前に《甲龍》の詳細なスペックを確認して策を講じるべきだった。山田先生が伝えてくれるからと高を括っていた俺のミスだ。

「一夏・・・。」

箒を始め、管制室にいる全員が固唾を飲んで見守る中、一夏はただひたすら鈴の猛攻を回避していた。回避する度に不可視の砲弾がアリーナの壁を抉る。

『よくかわすじゃない。この『龍咆』は砲身も砲弾も目に見えないのが特徴なのに。』

やはりそうか。砲身は空間そのもの、砲弾はエネルギー。両方見えないのは厄介だ。ISのハイパーセンサーをフル稼働して空間の歪みや大気の流れの変化を観測するしかない。弾道予測だけでも相当神経を使うだろう。

(しかもあの衝撃砲、見たところ砲身斜角にほとんど制限がない。射線が直線とはいえ、死角のない不可視の武装に鈴の操縦スキルの高さ・・・、一夏はどこま
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