第四章
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「別にな」
「何から何まで禁止しても重点が置かれなくなりだ」
そして、というのだ。
「反体制派がかえって活気づく」
「そうなるからな」
「しかも所詮些細な話だ」
「我々も脅かさないな」
「そうしたことまで禁じては」
そうしたことをしてもというのだ。
「他国からも批判を受ける」
「批判を受けることも煩わしい」
「国内のネットでも好き勝手書かれる」
「只でさえモグラ叩きになっているというのにな」
最早毛沢東の時代ではない、ネットというものがあり中国のネットでも隠語が多く使われるがそれでも体制批判も多い、それでだ。
彼等もそのことがわかっていてだ、ここで話すのだ。
「このことで叩かれてもな」
「あえて自分達からどうでもいいことで批判の材料を作ることもないだろう」
「このことはどうでもいいか」
「批判めいたことは書いていても」
「どうでもいいな」
「放っておくべきか」
「禁ずるまでもないだろう」
首を傾げさせながらもだ、彼等は話す。そして。
党の方ではだ、この問題についてはだった。
時折批判はした、それでもだった。
禁じるまではしなかった、それを見てだった。
王は李にだ、いぶかしむ顔で問うた。二人は今は上海の大衆が入る居酒屋にいる。そこで豚肉と野菜の料理を食べつつ話すのだった。
「どうなると思う?」
「あのことだな」
李はこう返した、このことで充分通じることだった。
「党は、だな」
「ああ、禁じないんだな」
「あれこそれ思うところはあってもな」
「政治的判断ってやつでか」
「思うことはあってもな」
それでもだというのだ。
「禁じないことにしたんだろう」
「そうか」
「色々と事情があるんだろ」
政治的事情が、というのだ。
「それでな」
「批判することはあってもか」
「放っておかれてるんだろう。紅衛兵とかな」
「もう作られないからな」
「毛沢東はいないんだ」
紅衛兵を盲目的に従わせ率いた彼の様なカリスマの持ち主は、というのだ。
「中国にもな」
「そんな時代じゃないしな」
「何だかんだいってもな」
今の中国は、というのだ。
「だからな」
「俺達もか」
「体制的にはどうかと思うことがあってもな」
「それでもか」
「まあいいかって具合でな」
その微妙な状況の中で、というのだ。
「いいってことになってるんだよ」
「そういうものか」
「それや紅衛兵とか出たらな」
彼等がだ、今の中国にというのだ。
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