第二章
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「あまり好きじゃないらしいな」
「ソ連は完全に否定してたよな」
「頭からな」
「それと比べたらましかね」
「どうだろうな」
この辺りは微妙だった、二人にしても。
そしてだ、王はその細い目で李にこんなことを言った。
「一人っ子政策にもいいよな」
「子供出来ないからな」
同性同士で出来る筈もない、これは女同士でも同じだ。
「絶対にな」
「それはいいことだよな」
「そうだよ、俺達中国に貢献してるんだよ」
人口問題を抱えているこの国にだ。
「祖国にな」
「そうなるな」
王は李のその言葉に頷いた。
「それだったらな」
「あれこれ言わないで欲しいな」
「全くだよ、女ってのは」
王は難しい顔でこんなことも言った。
「好きになれないんだよ」
「俺もだよ」
これは李もだった、彼にしてもだ。
「何かな」
「妙にな」
「合わないよな」
「何でかわからないけれどな」
感性として、というのだ。
「今一つ」
「だから俺達こうして一緒にいるんだよからな」
「お互いに合うしな」
心だけでなく身体もだ、王も李もだ。王はその李を見つつ彼にあらためて話した。
「後でその新聞見せてくれるか」
「ああ、いいぜ」
李はあっさりと王に答えた。
「あまり気持ちのいい記事じゃないけれどいいか?」
「それでも読みたい時があるだろ」
どんな記事なのか知っておく為にだ。
「俺は憤青じゃないからな」
「知りたいニュースだけを見ないか」
「それをしたら馬鹿になるさ」
まさにその彼等の様にというのだ。
「あいつ等みたいにな」
「その通りだな」
李も王のその言葉に頷いた。
「だから俺達のこともな」
「少なくともまだ禁止されてないだろ」
「批判めいたことを言われてるだけさ」
「ちょっとやばいけれどな」
党が批判しだすとそのまま禁じられることになっていくことが多い、それが共産党政権というものだからだ。
しかしだ、今のところはと言う王だった。
「今はまだな」
「大丈夫だろ、じゃあな」
「このままだな」
「付きあっていこうぜ」
李もこう言う。
「体制が批判に止まってるうちはな」
「禁止されたらどうする?」
王はあえてそうなった場合のことを話した。
「その時は」
「その時はその時だろ」
これが李の返答だった。
「あくまでな」
「そうなった時にどうするか、か」
「表立ってはな」
この辺りはそうすると言うのだった。
「付き合わないといいさ」
「別居してか」
「友達として付き合おうな」
表向きは、というのだ。
「そうしような」
「それだけか」
「別に友達ならいいだろ」
「まあな、俺達の関係は秘密だしな」
実は誰にも言っていない、互の親兄弟にもだ
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