第一章
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天そば
ランナ=ティオテはアフリカのコートジボアールから日本に来た。来日の理由は留学だ、それで日本に来たのである。
日本に来てすぐに寮に入り歓迎会を受けた、その中で。
日本の学生達から寿司をご馳走になった、ティオテは黒い肌の手でその寿司を取って食べて目を見張って言った。
「これがですね」
「はい、お寿司です」
「日本の料理の一つです」
「美味しいですね」
一貫食べてそのうえでの言葉だった。
「噂は聞いていましたが」
「コートジボアールでもですね」
「お寿司のことは」
「はい、とても」
食べてそのうえでの言葉だ。
「美味しいです」
「それは何よりです」
「じゃあどんどん」
「はい、日本の食べものは」
「色々ありますから」
「どれも召し上がって下さいね」
日本の学生達は笑顔で彼に寿司を差し出した、それを受けてだった、
ティオテは寿司を堪能した、日本のビールもだ。彼はまずは寿司で歓待を受け幸先のいい日本での留学生活のスタートを切れた。
ティオテは日本の大学で日本文化を学んでいった、留学生に選ばれただけあって彼は熱心に学び成績はよかった、だが。
日本の留学生達にだ、こう言うのだった。
「日本語は難しいですね」
「ああ、よく言われますよ」
「我が国の言葉は」
日本人達は苦笑いで彼に答えた。講義の後の講堂の中で。
「他の国の言葉と全く違って」
「文法も文字も」
「文字が幾つもあるし」
「とにかく難しいと」
「本当に難しいです」
またこう言うティオテだった、大柄な身体にいささか小さく見えるノートを持っていてそのうえで彼等に述べる。
「日本語は。ただ」
「ただ、ですか」
「それでも」
「はい、学びがいがあります」
その日本語はというのだ。
「とても。それに日本文化も」
「そちらもですね」
「非常に」
「最初にご馳走になったお寿司もよかったですが」
寮でご馳走になったそれもというのだ、尚流石に寿司屋のものではなく店で買ったものである。とはいっても量は相当だったが。
「他のものも」
「和食もですね」
「それ全般が」
「はい、非常に」
こう言うのだった。
「どれも美味しいです」
「その食べものの中で」
日本の留学生の一人がこう彼に言って来た、ここで。
「お蕎麦は」
「あの麺類ですね」
「あれはもう召し上がられましたか?」
「いえ、あれはまだです」
蕎麦は、というのだ。
「おうどんはありますが」
「そうですか」
「おうどんもとても美味しいですね」
「そうですよね、あれも」
「ただ、お蕎麦は」
それはというのだ。
「あまりです」
「そうですか、では今度どうでしょうか」
彼はティオテにこう提
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