第七章
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シーズンは終わった、だが。
八条グループは世界に展開している、それで世界中にプロ野球チーム及びリーグを持っているのだ。今度は国ごとの勝ち抜き戦だった。
日本選抜メンバーに恒夫も秀巳も選ばれた、恒夫はそこで同じユニフォームを着る秀巳に笑って言うのだった。
「今回は味方だな」
「そうだな」
「まあ味方ならな」
それならとだ、いつもの笑顔で言う恒夫だった。
「気兼ねなくな」
「練習は真面目にしろよ」
「リラックスしてな」
「だから真面目に練習をしろ」
「いつも楽しんでるからいいじゃないか」
「俺が言いたいことは違う」
真剣にしろというのだ。
「そこはな」
「やれやれだな、本当に秀巳は変わらないな」
「悪いか」
「いや、それでもな」
しかしとだ、ここでこうも言った秀巳だった。
「頼りにはしている」
「俺の長打と勝負強さをか」
「その守備もだ」
サードのそれもだというのだ。
「任せたからな、打つことと守備は」
「任せてくれよ、御前もな」
「監督から初戦の先発を言われた」
全日本の総監督からというのだ。
「相手は台湾だ」
「ああ、台湾か」
「強力打線だがな」
しかしその打線を、というのだ。
「封じる、凡打は任せた」
「安心しろ、それでホームランも打つからな」
「そこは頼りにしている」
「俺も頼りにしてるぜ」
恒夫にしてもだ、秀巳をというのだ。
「三振取りまくってくれよ」
「そうしてやる、今度の試合もな」
「勝つんだな」
「それにな」
そうしてだと話してだ、二人で。
今度は確かな笑顔になってだ、こうも言い合った。
「優勝しような」
「ああ、絶対にな」
「世界一になろうぜ」
「皆でな」
二人でこう言い合ってだ、今度は味方同士として向かい合う二人だった。そうして二人で握手もして優勝を誓い合うのだった。
双子の勝負 完
2014・7・21
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