第三章
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「困ったことにね、けれどね」
「今度の合コンでよね」
「彼氏ゲットしてね」
「そうしてっていうのね」
「お話聞いてきて燃えてきたわ」
にこにことして言う梨亜杏だった。
「久しぶりの合コン、頑張るわよ」
「久しぶりってどれ位?」
「どれ位久しぶりだったの?」
「高校三年の春にカラオケボックスでやって」
大学生から見ればかなり過去の域だ、大学生にとって高校時代はもう過ぎ去った遥かな過去のことであるからである。
「それからなのよ」
「それって大学にはいってからずっとじゃない」
「合コンしてないってことじゃない」
「もう随分大昔のことじゃない」
「あんた大学入ってから何してたのよ」
「だから皆と遊んでテニスやってゲームやってバイトやって」
そうしたことに夢中になって、というのだ。
「それでなのよ」
「そうしたことはなのね」
「全然だったのね」
「そのことに今気付いたわ」
こうまで言う始末だった。
「いや、本当にね」
「あっきれた、本当に」
「それじゃあどうしようもないじゃない」
「そりゃ彼氏作るだけがキャンバスライフじゃないけれど」
「全然興味ないって何よ」
「もっとそういうことも真剣にならないと駄目じゃない」
「合コンから全てははじまるのよ」
中にはこうした極論を言う娘もいた、そうした話をしてだった。
何はともあれ梨亜杏は合コンに出ることにした、その場所は。
「相手はうちの大学のバスケ部でね」
「あっ、バスケ部なのね相手は」
「そう、それで場所は商店街のお店の」
その店はというと。
「ギルティ=クラウンだから」
「あのバーね」
「あそこ丁渡飲み放題やってるのよ」
彼女達にとっても都合よく、というのだ。
「だからそこでやるから」
「飲んでそうしながら」
「そう、楽しくやるからね」
「わかったわ、それじゃあね」
「あのお店内装もお洒落だしお酒も美味しいし」
「あそこそうなのね」
梨亜杏はそれをはじめて知ったという感じで応えた。
「行ったことなかったけれど」
「実はそうなのよ、じゃああそこでいいわね」
「ええ、私飲むのも好きだし」
酒、それをというのだ。
「それじゃあね」
「あそこでね」
こう話してだ、そしてだった。
梨亜杏はその店での合コンに出ることになった、待ち合わせの時間は夕刻、その場所は商店街の入口だった。
集合時間と場所も決めてからだ、梨亜杏はにやりと笑って言った。
「時が来たわね」
「何、その特撮ヒーローみたいな言い方」
「若しくはアニメのキャラみたいな」
「いきなりどうしたのよ」
「何かあったの?」
「だから切り札を出す時が来たのよ」
こう言うばかりだった、今の梨亜杏は。
「私のね」
「ううん、また急
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