暁 〜小説投稿サイト〜
とある3人のデート・ア・ライブ
第六章 颶風の巫女
第5話 逆攻略
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は一つ。士道の好感度を上げるためだ。

鈍感で無自覚なのに恥ずかしいであろう言葉をサラッと言いのける二人だから何をしでかすか分からない。

今回はそれを利用した。

上条にインカムをつけて、アドバイスをもらって士道の好感度を上げる。

士道は無自覚に相手を褒める。

それが今回の狙いだ。


………本当にうまくいくのだろうか。

耶倶矢「貴様、確か上条当麻と名乗っておったな?」

上条「あ、あぁ。そうだけど……」

耶倶矢「くく……当麻よ、今から我に勝負じゃ」

突然の勝負宣告だった。

耶倶矢「あの岩まで先に到着した方が勝ち……貴様が勝てば我に触れるぐらいは許可しよう……だが貴様が負ければ我に忠誠を誓い、永遠と我の背中を追うがよい……」

こんな理不尽な賭けは初めてだ。

上条「意味分かんねぇよ。何で俺と耶倶矢が勝負するんだ?」

耶倶矢「とぼけるでないぞ。夕弦が言っておった……貴様は神に選ばれし異端者……とな」

夕弦は何を言ってるんだ。

講義したかったが、耶倶矢に手を引かれて海へと誘われる。

上条「お、おい、佐天さん!こういう時はどうしたら……」

佐天『う〜ん……諦めましょう!』

上条「………」

この瞬間、上条はインカムを耳から外し、ポイッと捨てた。

上条『何でこんなことに……』

凜袮『あはっ、頑張ってね当麻』

上条『ちょっと待て凜袮。お前絶対遊んでるだろ』

凜袮『ハハ……!ごめん、笑いが……ふふ……!』

上条『あんにゃろう………絶対勝つ』

こっちだって笑われたままで終わりたくないんでね。

海水が腰あたりまで浸かったところで足を止めた。

上条「……誰が勝負判定するんだ?」

耶倶矢「フン。そんなもの、我らには容易いことだろう?」

上条「上条さんはあくまで普通の高校生ですよ?」

耶倶矢「ならば今の時間を大切にするとよいわ。貴様ごときの下級の人間が我と二人きりになれるのだからな」

上条「………ハァ」

耶倶矢「ちょっ、何よ!そのため息は!」

といいつつ耶倶矢は上条に向かって海水をバシャバシャとかけた。

上条「うおっ!?」

耶倶矢「くく……我に向かってため息するから神からの制裁を受けるのだ……いい加減学べ人間よ……貴様ごときの分際がーー〈バシャッ〉って、何すんのよ!濡れたじゃない!」

当たり前だ。

上条「油断するから悪いんだよ。この上条さんもやられっぱなしでは悔しいんでね」

耶倶矢「うぅ……」

上条「お?やるか?」

耶倶矢「うりゃあ!」

上条「うぉっ!……やるな、お返しだ!」

こうして、勝負 (?)は競争から水のかけあいとなった。


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