暁 〜小説投稿サイト〜
メイリン・コメディ・ビザールショー
一話
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73→失敗
「ラクス・クラインさんでしたっけ?」
「茨木華扇です」
「あ。すみません」
名前まで間違えてしまい、ますます美鈴は申し訳なく思い、頭を下げる。
しかし、華扇としてはそれよりも美鈴がここにいる理由が気になったらしい。
「美鈴さん、どうしてここに?」
「あ、それは……」
美鈴は華扇に紅魔館を解雇されたことを話した。
「……なるほど。それで、美鈴さんはこれからどうするのですか?」
「そうですね……どうにかして仕事を見つけて、住居を見つけていこうと思います」
というと、いきなり華扇は堰を切ったように喋り出した。
「それではいけません!どうしてそこで強くなって見返そうと思わないんですか!ダメダメダメ、諦めたら絶対にいけません!レミリアさんだって強くなって帰ってきて欲しいと思ってますよ!取り戻しましょう!手を伸ばしましょう!never give up!」
「は、はいっ……」
迫力と温度に気圧され、美鈴はうなづいた。紅魔館に未練がないといえば嘘になる。いや、むしろ未練タラタラだったという理由もあるが。

「しかしですね、華扇さん。具体的にどうしましょうか」
「ふむ……」
そう言うと、華扇は美鈴をじっと観察し始めた。腕、足、首。などなど。ぺたぺたと触れて触診もしながら、じっと美鈴の何かを調べてる。その様子に思わずくすぐったさを覚えた美鈴は、華扇に尋ねる。
「な、なんですか?」
「いえ、勇儀がとっておきを持ってて、あなたにその適性があるか調べていたのですが……ふむ」
というと、華扇はくるりんぱっとばかりに手で回しながら、白と黒の線が並んで何周も這い回ったようなデザインのシルクハットを被って言った。
「仙道を学ばなくてはならん!さもないと死ぬッ!」
「セン=ドー!?」
この物語は、パロディに包まれた和風世界、幻想郷の中の真っ赤な洋館、紅魔館を追い出された門番の中華少女の、数奇な運命を追う冒険譚である……だと格好がつくけど基本はただの悪ふざけである。
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