1.Death & Strawberry #0
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空座町 午前二時二十三分 金曜日
細く、白い月が出ている。その頼りない月光は、町にいつもより多くの闇を落としていた。
闇の中を、ひらりと黒揚羽が舞う。その、隣。
「この辺りか……」
夜に溶けるような黒衣をまとった少女が、雑居ビルの屋上……その手すりに立ち、町を見下ろしていた。緩く風が吹いて、白い顔にかかる長い前髪を揺らす。少女は、ゆっくりと一つ、まばたきをした。
「成る程……強い魄動を感じる」
つぶやき、手すりを蹴る。
黒衣の少女は、音もなく、淡い月光の町に溶けた。
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