虫を叩いたら世界は救われるか検証してみた・雷の章
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か、世界の頂点に君臨する天帝の覇道が勝るか、男と男の戦いが世界の中心で幕を開けた。
そこから始まったのは、壮絶な殴り合い。
ただ狂ったように殴り続け、壊れるほどに殴られ続ける。
繰り出されるは拳だけに非ず。頭、肩、肘、膝、脛。体術で使用出来る凡そすべての方法を駆使した極限の殺し合い。筋肉が躍動し、血が湧き、肉が躍る。あらゆる文化や文明から極限まで無駄をそぎ落とし、ただ己の肉体のみで全ての困難を切り開くために生み出された究極の戦闘方――殴り合いだ。
「ガぁぁぁぁああああああああああッッ!!!」
「ウオォォォォォォォォオオオオオッッ!!!」
カシアスが拳を一発振るたびに、空に雷鳴が響き渡り電光が爆ぜた。
鳴り響く轟音が、地上で戦うバンプ・ライバーに彼の無事を告げた。
魔須禍羅諏がそれを迎え撃つ度に時空がねじれた。
その圧倒的な威光を見上げる度、エンシェント・ライバーは己が主の力に歓喜した。
血管が裂け、皮膚が敗れ、肉が抉れて血反吐を吐き出しながら、カシアスはなおも内なる雷を弾けさせた。天帝との殴り合いは一見して互角に思えたが、時空さえ歪める天帝の拳は確実にカシアスの肉体を破壊していた。
既にカシアスの背後に広がる空は、天帝の拳の余波で激しくうねり、今にも世界の境界線を引き千切れかねないほどの歪んでいた。
天帝の世界を掴んだ拳が、カシアスの顔面に突き刺さった。
カシアスの電光の拳が、天帝の胸に突き刺さった。
「がふッ……ぁぁぁあああああああッ!!」
「その……意気や……よしッ!!この天帝……貴様が現れるより前までは己の血を見たことなどあらなんだッ!!認めよう、貴様はこの天帝に並ぶ力があぁぁぁぁぁるッ!!」
「俺は……ッ!!お前を、超えぇぇぇぇぇるッッ!!」
「だがぁッ!!この星は……正しき血筋、正しき血統にて支配されねばならぬッ!!それこそがぁ!!」
続く言葉を、カシアスは魂を削る渾身の殴打で黙らせた。
腕の筋肉が限界を超えた負荷にぎしぎしと軋み、骨と肉が分断されるような激痛となって襲う。だが、叩き込んだ拳は天帝の肉を抉り、骨を砕いていた。天帝の目が見開かれる。
「俺の雷はぁ……天を斬り裂いてその先にある未来を掴む!!バンプ・ライバーもッ!!地球人類もッ!!……いいや、違うね!」
この一撃で俺の命が尽きてもいい。
ただこの男を打倒する。この男を、俺の雷で貫く。
戦士として、何よりも一人の男として――負けたくない。
ただそれだけが、失神しかけた精神を繋ぎとめていた。
「そーいう建前とか動機とかイデオロギーとかややこしい話以前にッ!!――この俺様がてめぇみたいな仮面野郎に支配されるのが死ぬほど気に入らねえんだよッ!最強は……俺だぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
ただ、シ
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