虫を叩いたら世界は救われるか検証してみた・雷の章
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戦布告を叩きつけてきた。
一様に民族儀式で使われるような鳥の仮面をかぶり、自らを優良人種と名乗る彼らは生き残りを襲撃した。人類は必死で抵抗したが、人知を超えた身体能力と解析不能の力で襲いくる翼の民を相手にするには、手負いの人類は弱すぎた。
だが、一方的な大攻勢は終わりを告げる。
翼の民とは別に危機を察知し生き延びた巨大宗教集団。
偶然にも大隆起を少ない被害で乗り切り、立て直った国家。
全力で翼の民と戦ううちに人としてのリミッターが外れた者たち。
そして――翼の民の離反者。
様々な思惑が絡み合い、次第に戦いは複数組織による大乱戦へ。そして次第に戦局は拮抗していき――とうとう、世界は人類存続を掲げた「バンプ・ライバー」と地球の新たな支配者となることを望む「エンシェント・ライバー」の大激突に発展した。
だが、現人類勢力バンプ・ライバーには一つだけ突破できない壁が存在した。
――魔須禍羅諏だ。
その実力は翼の民の中でも突出、いや、別次元の領域に達していた。片手を振るっただけで地盤をひっくり返し、小石を投げるように山を丸ごと放り投げる。あらゆる攻撃が彼の表皮の前には無意味であり、そして彼は三日三晩不休で戦っても尽きぬ無限のスタミナを有していた。
彼一人がいるがために翼の民は常に勝利を疑わず、彼の出陣した戦いは全て翼の民が勝利した。
だが、バンプ・ライバーにはたった一人だけ天帝を押し返した男がいた。
それが、『雷神』カシアス。
翼の民と激戦を繰り返すうちに、体内発電能力を手に入れた地球最強の戦士である。
人知を超えた雷の域にまで達するカシアスの発電能力は戦うほどに洗練され、翼の民さえも押し返すほどの強力な戦士へと成長を遂げて行った。
そして1年前に行なわれたニューヨーク戦役にて、とうとうカシアスの電光拳が魔須禍羅諏の仮面を砕いた。魔須禍羅諏は撤退し、救世の雷神と謳われたカシアスの実力は世界中に響き渡った。
彼の登場によって戦局は大きく傾き、9対1とまで言われていた2勢力の戦力差は互角に近い所まで押し返していた。そして、魔須禍羅諏の直属部下である禍羅諏四天王をカシアスの仲間が食い止めることで、とうとう再戦が叶ったのだ。
この二人の戦いでどちらが勝つのか――それによって、世界の命運が決まる。
「最早、貴様にかける言葉ひとつすら惜しい。貴様を!今日!ここでッ!!この地球から細胞の一かけらも残さず完全消滅させてやるぅぅぅぅぅぅッ!!」
「消えるのは……貴様の方だ!!天帝の前に立つことの愚かさをぉ……貴様と、貴様に組するバンプ・ライバー全ての命を以って教授してやろうではないかッ!!同胞の命をはなむけに、因果地平の彼方へと消え去るが良いわぁぁぁぁぁぁッ!!!」
天を貫く雷光が勝る
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