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思惑の色は――紅
第2話 餌食
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したまま指先で触り、撫で、擦る。ちょっとした弾みで実体化しかねない状況だった。アーチャーは当然、慎重に、かつ静かに振る舞っていたが、凛もまた下手に動けない。魔術の粋を凝らした産物であるサーヴァントの存在が周囲に知れることで、まずい立場に追い込まれるのはむしろ彼女のほうだからだ。
 そして、アーチャーもそれを分かっているからこそ、しつこく、冷静に凛をいたぶり続けた。抑えがたい劣情を擦りつけるように。3時間目の教師が、顔を真っ赤にして苦しげな凛を見兼ねて保健室に行くことを勧めたが、彼女は席を立たなかった。こんな時にベッドの上で寝たりしたなら、それこそ何をされるか分からないと思ったのだ。
 休憩時間、昼休み……アーチャーは纏わりつくのをやめなかった。あまつさえ、トイレの中にまで侵入し、実体化してきた。
 それからの数分間は、まさに地獄だった。想起するだけで脳が灼けそうになる。
 まず、驚いて洋式便座から立ち上がろうとする凛を、アーチャーは強引に座り直させた。小用直前、ストッキングもショーツもずり下げ、陰部を丸出しにしていた時にである。さらに、ぎりぎりで失禁を抑えている陰部に触ろうとしてきたため、凛は咄嗟に両手でそこを隠した。
 容赦なく、アーチャーは胸元へと攻め手を変えた。漏らしかけ、思うように動けないでいる少女の身体を便座へ抑えつけたまま、小器用に襟首のリボンを外し、ブラウスのボタンを上から1つ、また1つと外していった。息荒く上下する乳房が露になってゆく。
 慌てて、凛は片手を上げ自分の胸を守ろうとする。そこに、右内腿から激痛が生じたのだった。アーチャーの左手の親指が、右脚の付け根あたりに強く喰い込んでいた。
 その痛みが引き金だった。我慢していた尿意が、猛烈にもよおしてくる。なんとか踏みとどまろうとした……が、堪えきれず、凛はだらしなく始めざるをえなかった。
 人前で、放尿を。
 アーチャーは彼女の左脚の付け根にも右手の親指を突き立て、閉じようとする両脚を無理に開かせた。力で敵うはずもなく、そうなっては、じっくりと見られ続けるしかない。
 便器の中に、熱い液体を垂れ流す音も聞かれた。
 為す術もなく、はしたない姿を曝し、凛は「ぅあああ……」と、か細い悲鳴をあげたのだった。泣きながらアーチャーの手首を掴んだまま、股間も胸元も隠せず。瑞々しい両脚の腿を突く親指の爪の痛みが、少女の心にまで深く刺さっていった。
 ……己のマスターの、女としての誇りを踏みにじり、羞恥と屈辱に塗れさせる為の視姦。
 これにはさすがに凛も激昂するしかなかった。そして、これ以上おかしな真似を続けるなら、あと2つしかない令呪による強制命令を発動させるとアーチャーを恫喝、通告する。
 それで、やっと大人しくなったと思っていた。
 これで、聖杯戦争の勝利に向け、他のマ
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