第五十一話 エテモンの過去
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まだ何か余地はあるのではないかと考えていた。だが、事態は最悪だ。どこまでも暗黒の力は有害なのだ。もうここまで話せば分かるな?エテモンを救う方法は、一つしかないのだ。まだアヌビモンの元で裁かれるという選択の余地がある、という方法を取るしかないのだ。エテモンが暗黒の力により巨大化などの最終手段に出る前に、倒すしかない。いや、倒すだけではだめだ、殺せ。ダークエリアに送るために。これほどまでの強大なものだとは私も思わなかったのだ。選ばれし子供達よ、注意しろ。お前達の相手をしている暗黒の力はそれほどまでに絶望的なのだ。しかし、デビモン、エテモンは何も知らぬままこの力を手にしている。だが、ダークエリアに住まう者達からすれば、格好の標的だ。注意しろ、いずれ、この力を利用しようとする輩が現われんとは限らん。だから、エテモンのように、救える同情の余地がある奴ばかりとは限らん。見極めろ。でなければ、その代償は高いぞ]
あのエテモンを殺すことこそが何よりの救いだとナノモンはいうのだ。
かつて誰よりも理解していたナノモンが。
その説得力ははあまりにも悲痛であった。
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