第十二話
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ギーを纏わせてみる。そして、見事に光りだしたガラス片を、同じようにエネルギーを纏わせたズボンへと突き立てて見た。
「うわぉ・・・!」
結果。ガラス片は、ズボンをいとも簡単に切り裂いたのである。つまり、攻撃にも使用出来る事が判明したのだった。これを思いついたのは、前世で連載していたHUNTER×HUNTERという漫画の念という技術に、オーラを物質に纏わせて能力を底上げするという描写があったのを思い出したからだ。試しにやってみたのだが、思いの外上手くいってしまい、逆に驚いている葵だった。
こうなると、どれほどの攻撃力があるのか試してみたくなるのが男の子である。転生して若干精神年齢が下がっている葵も例外ではなかった。
彼は、軽い気持ちで、座っている屋上のコンクリートへ向けて、ガラス片を振り下ろしたのだ。
スッ・・・。
「・・・え?」
手応えが無かった。彼としては、いくら強化したとは言え、ただのガラス片なのだから、砕け散るだろうと思っていたのだ。今更、彼の体にガラス片が飛んできた所で、肌一つ傷つけられることはない・・・とタカをくくって。
しかし、結果はこうだ。ガラス片は、コンクリートをまるで紙でも切るかのごとく、容易く切り裂いたのである。恐る恐る、突き刺さったガラス片を抜いて見ると、コンクリートには深い刺し傷が出来ていた。
「・・・ヤバイ使い方発見しちゃったかも。」
脆いガラス片でこれなら、ちゃんとした刃物なら、どれほどの攻撃力が出せるか。例えナイフ程度だとしても、恐ろしい切れ味になるだろう。
「何これ?斬鉄剣?」
額に汗がたらりと流れる。
「こうなったら、色々使い方研究しないとな・・・。」
いざという時、使い方が分からず自滅するのは避けたいので、更に実験を続ける。まずは、離れた場所にあるものにエネルギーを纏わせることは可能なのかどうかだ。
「まずは・・・!」
コンクリートの欠片を手に取り、上に向かって放り投げる。それに向かってエネルギーを纏わせようとしてみるも、これは失敗に終わった。
「じゃあ次だ。」
今度は、コンクリート片を地面に置き、少し離れた場所から地面を伝ってエネルギーを纏わせてみる。すると、これは成功した。つまり、対象に直接、または間接的に触れていなければならないということである。
「それなら・・・。」
次は、物質にどこまでエネルギーを込められるのかの実験だ。これは、『測定不可能』という恐ろしい結果に終わった。五分間ほどエネルギーを込め続けたのだが、割れたり脆くなったりといった影響はなく、逆に、エネルギーを込めれば込めるだけ、耐久力や攻撃力が上昇していく。エネルギーを込めたただの石ころを軽く投げて見たところ、辛う
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