四弾 好奇心猫を殺す? 黒猫はミルクを好む?
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から鳴き声が聞こえてきた。
ゆっくりとその声の元に近づいていくと一匹の白猫がその小さな身体を震わせて弱々しく鳴いていた。
「しゃーあー」
満足に動けないのか、丸まったまま、此方を警戒するような眼で見て尻尾を立てる。
「ん、捨て猫か?」
俺は猫の側に近づくと震えるその猫を抱き上げようとした。
猫は尻尾を立てて威嚇して鳴いてきたが弱っているせいか暴れようとはせずにその小さな身体はすぐに俺の腕の中に収まった。
「大丈夫か、お前?」
俺の問いに猫は鳴いて答える。
「にゃー」
「気にすんな、か……大丈夫ならいいけどよ」
「にゃーあ」
「それにしてもアリアの奴、来ねえな……」
「にゃー、にゃー」
「ん?腹、減ってんのか?」
にしても猫が弱々しく鳴く姿を見ていると庇護欲を注がれるな。
そう思い、猫を一旦放した俺は袋の中に入っていた紙パックの牛乳を取り出して、温室前に捨てられていたプラスチックの容器を温室に設置されている水道で洗って皿代わりにしてやり牛乳を中に注いで、猫の前に置いてやった。
猫は尻尾を立ててまま、最初は警戒していたが、食欲には勝てなかったのか、すぐに牛乳を飲み始めた。
「美味いか?」
「にゃー、にゃー」
もっと牛乳寄越せ!と言わんばかりに器用に前足を使って容器を俺の方に押してくる猫。
容器に牛乳を注いでやると猫は「にゃー」と一鳴きしてから物凄い勢いで牛乳を飲み始めた。
立てていた尻尾も今は横に揺らしている。
「あーあー、その子もトレイン君に餌付けされちゃったようっスね」
背後から聞こえてきた声に振り向くと俺と同じように片手にスーパーの袋をぶら下げているサヤの姿があった。
「コイツ、サヤの猫か?」
「違うっスよ!
その子は温室に住む野良猫。
一週間くらい前から住みついていたっス」
サヤは猫の側に近くと猫が舐めている容器の中にスーパーで買ってきたアジを丸々一匹入れてやった。
猫はアジを見ると目の色を変えて「ふしゃあぁぁぁー」と鳴き、齧りついた。
「毎日餌やってんのか」
「うーん、依頼がない日に来ることが多いっスね。
今日は久しぶりに大物を捕まえられたからこの子にもお裾分けっス」
「依頼行ってたのか」
「うん。これでも強襲科のSランクっスからね!
そういえばトレイン君は試験はいつ受けるんっスか?」
ここにもアリアクラスの奴いたよ。
俺の周り、Sランク率多くねえか?
「さあ、知らねー」
「自分の事なのに、何で知らないっスかー!」
「そういうのは|相棒
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