ノイズと謎
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実はあまりにも残酷だ。どう思ったって結果は変わらない。それはどの世界でも変わらないことだ。
「ごめんな、お袋。勝手に先に死んじまってよ。一人になって寂しい思いするかも知れねえけど生きていてくれ……。ごめんな……親父、約束守れなくて」
あの人……親父との約束を守れなかった。謝りながら真っ暗な視界で呟いた。すると自分の体の所々の感覚が無くなり、ポリゴン片へと変わり行くのを感じる。そして、突然脳が焼ききられるほどの鋭い痛みをもった頭痛に襲われる。
「ッ痛!」
ナーヴギアによって脳を破壊されてるのかと思ったが違った。いきなり目の前にシステムエラーという表示が出たと思うと、体に感覚が戻り、ザアザアと身体にノイズが走るのを感じる。そして、消えかかった体の部分が再び構成されていく。
「なんだよ、これ?」
何が起こったのか分からないが体が動かせるようになり、視界もはっきりし始めた。倒れていた体を素早く起こす。そして死ななかったことをうれしく思ったが、今は目の前のモンスター、インヘルスを殺すことに専念する。
さきほど倒したと思われる相手が起きたことに気付いたインヘルスは雄叫びを上げる。
「ウォォオオオ!!」
再び殺すために接近しようとするが、目に映るインヘルスのそのスピードはさっきまでのものよりもかなり遅く感じた。自分の目の前に到達した瞬間に爪を振り下ろしてくるがそれを簡単に避けてフックを顔面に決める。すると、今まで攻撃してもあまり減らなかったHPが目に見えて減りだす。
もしかしたらと思いもう一度、今度は腕に蹴りを決めると腕は簡単に浮き上がる。ダメージもまたも目に見えて減っている。これならいけると思い、一気にかたをつけるために、そのまま連続で攻撃する。そして一時間かかって倒せなかったのに、五分もかからずに倒すことができた。
「ようやく、倒せた……」
そう呟いた瞬間、今まで頑張って千切れなかった意識を繋ぐ糸のようなものがプツンと切れる感覚を感じた瞬間、目の前がブラックアウトした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
しばらくして、ようやく意識が覚醒し、目が覚めた。瞬間、自分が無事かを確認するために身体を見る。特に異常は見当たらない。辺りも見渡すがモンスターもいなかった。自分はどのくらいの時間眠っていたかを確認すると十分ぐらいしか経っていかった。
なんか、気絶する時間が短いなと思うが、そんなに長く気絶していると死ぬ可能性もあるのでよしとする。とりあえず、こんなところにずっと居るのもいやなので、扉に向かう。扉を開けると光が目に前を真っ白に染める。あまりの眩しさに目を瞑る。しばらくして眼を開けると《戦士たちの墓場》の入り口に出ていた。
「うっし!ようやく外に出れた!」
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