第六章 颶風の巫女
第4話 ベルセルク
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とりあえず、令音さんに相談しよう。
そう決断し、二人は部屋を出て行った。
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令音「やあ、来たね」
カタカタとキーボードを打つ手を止めてこちらに反応した。
士道「〈フラクシナス〉との通信は回復したんですか?」
問うと、令音は無言で首を振った。
令音「いや、駄目だ」
士道「そ、そうですか……」
令音は小さく首肯し、テーブルの上のノートパソコンをカタカタと操作し始めた。
と、あることに気づく。
上条「これは……耶倶矢と夕弦?」
画面に映し出されている画像がそう示しているようなカンジがした。
とは言っても完全な耶倶矢と夕弦の姿ではない。吹き荒れる風の中で撮られたのか、写真がブレブレだ。
令音「恐らく……ね」
彼女もこうとしか返事ができない。
令音「……実は彼女らは我々の間ではちょっとした有名人でね。風の中で二人組の精霊を見たと聞いた瞬間から、何となく目星がついていたんだ」
上条「有名人?」
令音「……彼女らは、〈ベルセルク〉と呼ばれている」
士道「〈ベルセルク〉……」
令音「……あぁ。世界各地で確認されてる二人組の精霊だ。こちらに現れては常にじゃれあっているだけなのだが……その規模が問題でね。各地で起きている突破性暴風雨の何割かは彼女たちのせいだろう」
上条「目撃……空間震はどうなってるんですか?」
令音「……予兆は確認されたよーー太平洋沖の遥か上空で、だがね」
士道「……まさか、空間震のほとんどは上空で……!?」
上条「でも、それなら何で或美島なんかに……」
令音「簡単な話さ。空中で現界したのち、ここまで移動してきたんだ。数百キロという距離をわずか数分でね」
士道「な……」
上条「ソニックブームとか起こらないのか?」
士道「気にするとこはそこかよ……」
士道は呆れるようにため息をついた。
令音「………話を戻すが、私たち〈ラタトスク〉はこれは願っても無いチャンスだと思っている」
士道「へ?何でですか……?」
上条「……二人と遭遇するのが難しいから、ですか?」
令音「その通りだ。極めて遭遇率の低い〈ベルセルク〉相手に、君たちは向こうから気を引こうとしているじゃあないか。この機を逃したら、なんの冗談でもなく耶倶矢と夕弦にはもう二度と会うことができないだろう」
士道「じゃあ〈ラタトスク〉の協力なしで攻略する……ってことですか?」
令音「………そうなるね。それと実はもう一つ、彼女らを……いや、夕弦を攻略する上で厄介なことがある」
上条「気を引いているのは俺だから……ですよね?」
令音「そうだ。耶倶矢は攻略できても
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