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DQ3 そして現実へ…〜もう一人の転生者(別視点)
人を好きになる事と、愛する事の違い
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になっても、ベホマを唱えれば完全回復をするのに、現実だと死の危機からは脱する訳ではないのだ。

そんな死の淵を漂っているウルフさんに抱き付き、私は力の限り叫んでいた。
「私は…私はウルフさんを愛してます!だから…だから私を残して死なないでください!私の所為でごめんなさい!ウルフさんを危険に晒すつもりは無かったんです…こんな私の事を助けてくれてありがとうございます!私はウルフさんに対して、これからの人生を捧げ、今回の謝罪と感謝をしていきたいと思ってます。だから私を残して死なないでください!大好きなんです…愛してしまったんです!」
お父様に怒られても、お兄様に嫌われても…私は彼にだけは好かれたい!愛されたい!!その一心で叫び続けた!
でも…
「そんな謝罪も、そんな感謝も…今の君からは受け取れない…」
弱々しく静かな口調なのに、彼の声は頭に響き渡った。

やはり私は嫌われてしまったのだ…
そう思い絶望しかけた時…
「そんな『ウルフさん』とか『ウルフ様』とか…他人行儀に呼ばれる間柄の女性を助ける為、俺は自らの命を晒したのではない!恋人同士なら、敬称は不要でしょ?…ね、マリー!」
ズキュンときた!
間違いなく(ウルフ)は、(リュカ)の一番弟子だ!
だってもう…言葉に出来ない程、好きで好きで…愛おしくなってしまってるんだもの!

私は瞳を潤ませ何も言えず、ただウルフの顔を見つめている。
するとお母様が食べやすく一口サイズにしてくれた携行パンと、在り合わせの食材で作ったスープを私に手渡してくれる。
私はウルフの体を支える様に寄り添い、食事を手伝った。
そして私は小声で呟く…
「ウルフ…大好き…」




この袋小路に陣取り、お父様を見送ってから10時間程が経過した頃…
「ただいまぁ…あー、疲れたぁ!」
まるで遠距離通勤をしているサラリーマンのオッサンの様に、私のお父様は戻ってきた。
「お帰りなさいアナタ。食事にします?お風呂にします?それともワ・タ・シ!?」
すると示し合わせた様に、お母様もノッてきちゃいました!
横になっているウルフが苦しそうに大爆笑…も〜、重体なんだから苦しめないでよ〜!
きっとこのネタをお母様に仕込んだのはお父様ね!
だってこんなコントみたいなネタ、お母様が思い付くとは思えないもの!

「お!笑えるぐらいまでは回復したか!」
「はい、お陰様で……でも、もう勘弁して下さい。笑うと苦しいので…」
まったくよ…ウルフを苦しめるのは止めてよね!
「そうか…じゃぁ、後1日は此処で待機だな。ほれ、食べ物を買ってきたから…」
え、買ってきた!?
お父様は懐からレバーやほうれん草などの血になりやすい食料を取り出しお母様に託す。

「どうしたんです、これ?」
「え?だから買
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