暁 〜小説投稿サイト〜
ルドガーinD×D (改)
二十話:俺の願いは……
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いつも同じクルスニクの被害者なんだよな……。
凄く気に入らないけどな。

「だけど、ルドガー君は俺達とは少しだけ違う。審判を越えたんだろ? ユリウスの命を使ってさ」

「……どういうことだ?」

「審判に関わるか関わらないか、それを選択する機会が与えられるらしいぜ。
 審判を越えたルドガー君にはさあ。羨ましい限りだぜ」

審判に関わるか関わらないか、それを選択する機会が与えられる?
それなら、俺は関わらない。
もうこれ以上審判に俺の人生を狂わされたくない…っ!

「俺は審判に関わらない。今の生活で俺は満足している」

そう。俺は今の生活に満足して―――。

「本当にそう思ってるのかよ? ルドガー君」

「っ!? お、俺は―――」

「会いたいんだろ? 兄貴に。―――“偽物”のマクスウェルに」

「リドオオオオオオオッッ!!!」

限界だった。俺は『武器創造(ウェポンシフト)』で双剣を創り出し斬りかかる。
だが、リドウはヒョイと簡単に避ける。
くそっ! どうして当たらないんだ!?

「いやー。動揺してるねえ。ルドガー君。そんなに動揺してたら当たる物も当たらないぜ」

「俺は……俺はっ!」

剣を握る手が震える。
否定できない。今まで自分では気づいてなかった。
……いや。気づかないふりをしていた。
俺は兄さんに会いたい、ミラに会いたい、エルに会いたい。
でも……もう会えないからと諦めていた。

「“審判”を越えることさえ出来れば。また昔に戻れるんだぜ?」

悪魔の囁きの様に、リドウの言葉が俺の心を揺さぶる。

「お前はどうなんだ!? お前は何か叶えたい願いがあるんじゃないのか!!?」

「俺はルドガー君みたく、過去に囚われていないんでね。ただ、自由に。自分の生きたいように、長く生きられれば十分なのさ。だから俺は全力で生き残らせてもらうさ。別に審判に敗れても、こっちの世界は滅びるわけじゃないしな」

そう言ってナイフで俺に斬りかかってくるリドウ。
俺はそれを何とか防ぐ。その間にも俺の頭にはリドウが先ほど言った、言葉が響いてくる。

『また昔に戻れるんだぜ?』

また昔みたいに“みんな”と一緒に―――っ!?

「足元がお留守だぜ?」

「しまった!?」

いつもなら見ていなくても。
避けれるレベルの足払いを受けて、転ばされる。
その拍子に時計も落ちてしまう。くそっ! 油断した!!

「ルドガー君が審判に挑むと。俺の邪魔になるからここで殺させてもらうぜ」

俺の両手を足で踏みつけ動けなくするリドウ。
こんなところで終わるのか……。兄さん…ミラ…。
ゆっくりとナイフを振り下ろすリドウ。
そして俺の喉まであと少しになり―――



[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ