第10話 Tempest Turn 1
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イングリットがノヴァを倒すと、周りのビルが全て消え去る。倒したノヴァの残骸も同様にだ。
「お疲れ様でした、イングリット先輩。」
レオは、ハンドタオルを持って、イングリットの元へと駆け足で寄ってきた。
そう。今までの戦闘は、全てが偽物である。ゼネティックスには、対ノヴァ用のトレーニングルームがある。そこでは、本来のノヴァと同程度の戦闘力を誇るダミーである。だが、このトレーニングは、死なないというだけで、ノヴァの戦闘力はそのままであり、それをたった一人で、なおかつ、40秒で倒せるのは、相当な実力者だけである。
「ありがとう、レオ。」
イングリットは、タオルを受け取り先の戦闘で少しかいた汗を拭く。
最近の日課は、こうやってパートナーのレオと共に訓練することだ。
何時もは、ここから部屋に戻り、就寝時間まで趣味のドラマ鑑賞に浸るのだが、今日は、少し、いつもとは違った。
「お疲れ様。イングリット。」
帰り道の途中、彼女はある知り合いに出会う。銀髪のロールヘアが特徴的な、小柄な美少女。身長のせいで実年齢よりも幼く見られがちだが、れっきとした三年生だ。
「アティア…何の用だ?」
「ベッツに〜。ただ、少し報告をと思ってね。」
アティアと呼ばれた少女は、ニヤニヤと意味深な笑顔を浮かべながら、イングリットへと近づく。
「ついさっき、3年の15位がやられたわ。」
「カンナヅキか……それがどうした?まさか、ランク外にやられたわけでも…」
「やったのは2年生よ。」
その台詞に、ピクリとイングリットが反応した。
「誰だ?」
「2年生2位。サテライザー・エル・ブリジット。接触禁止の女王よ。」
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サテライザーは独房から解放され、自室へと歩いていた。だが、その表情はどこか浮かないものだ。
理由は、なんとなくだがわかっている。彼のことだ。
アオイ・カズト。彼のせいだ。
今日と昨日だけでも、既に二度も助けられてしまった。それに、何度も触れられているのに、気持ち悪かったりしない。
寧ろ、気分が高揚したほどだ。
ーもしかしたら、彼が、私の…………
そんな淡い期待をした、その時だ。
「お前が、サテライザー・エル・ブリジットか?」
またしても、敵意が現れる。
サテライザーは、その声に反応し、目つきを鋭くする。
そこに立っていたのは、綺麗な赤毛を持った、同年代程度の女子生徒だった。
「誰だ、お前は……」
「三年生、学年7位。“秩序の守護者”。イングリット・バーンシュタイン。」
三年生、と聞いた瞬間、なぜだか滑稽に思えた。それと同時に闘争本能が刺激される。
「三年生はお優しいんですね……」
ノヴァブ
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