黒蝕の陰、天廻の陽
ナグリ村へ到着
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「おっ、見えてきた。おーい、そろそろナグリ村だぞ!」
ジャックスが帽子を上げ、地図と己の目を頼りにナグリ村を確認した。
「ん〜…変だな。いつもならもう熱気とハンマーの音と村長のバカでかい笑い声と掛け声で溢れてておかしくないんだが…皆寝てるのか?」
「…寝ててもマグマは…流れるはずだ。」
アプトノスの燻製肉を口に運びながらガートン。
「うーん…ナグリ村周辺は火山地帯で地質的には安定してるはずなんだが…。あ、ガートンそれ一個くれ。」
「…分かった。」
ガートンから渡された燻製肉をジャックスも口に運ぶ。
「ん!?この燻製肉うめぇな!お前が作ったのか?」
「…作ったのはアルフレッドだ。…エイン村の保存食らしい。」
「ほぉ〜…酒の肴にちょうどいいかもしれん。村に着いたら作り方を聞こう。」
荷車は車輪を軋ませてナグリ村へと進んだ。
ナグリ村。
ラスガルス大陸の中央部やや東側に位置する。
近くにはガルガン地底洞窟が存在し、ラスガルス大陸有数の鉱脈として認知度が高い。
驚くべき事にこのガルガン地底洞窟には「火山期」というものが存在する。
通常洞窟と言うと火山とは到底かけ離れたイメージがあるが、ガルガン地底洞窟は正式名称を『ガルガン山底洞窟』という。
その名の通り地質が激しく変動するこの大陸にある火山が故、休火山となったガルガン山ですら活火山のように噴火することもある、そんな山の足元に入り口がある洞窟である。
ここには鉱石を食料とするモンスターも居るようだ。
…が。
「…やっぱし変だ。もう夜が明けてるのに火山は暗いしハンマーの音も聞こえてこない。」
3つ目の燻製肉を食べながらジャックス。
「…食べ過ぎだジャックス。」
それを注意するガートン。
「それはこの際置いとくとしても、未だかつてこんなに活気の無いナグリ村は初めて見るぞ…?」
ガートンはめぼしい場所を見つけるとそこへ荷車を止めた。
「おい、お前さんがたちょっと急いで支度を…」
と、アルフレッド達が寝ている荷車に向かったが
ドアの前に張り紙を見つけ、ジャックスはこれを凝視した。
「邪魔したら団長でも許しません、か…これはそっとしておこう。命はむやみに投げ捨てるもんじゃないしな。」
と、そこへ
「どうかしたのか?」
と、防具に身を包みいつものハンマーを背中に担いだダイラスとその陰に隠れるかのように同じような風貌で佇むマトレガの姿。
「おお、お前たちちょうど良かった。ここがナグリ村なんだが、俺たちが知っているいつものナグリ村と様子がまるで違うんだ。俺たちはここでキャラバンの設営をするから、お前たちは村長さんや村のみんなの様子を探
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ