異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日のC
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きない、とばかりに首をかしげる雷斗に、突込みを入れるのはアツヤだ。
それに激しく頷いて、リュウが突込みを引き継ぐ。先ほどの水しぶきで最も被害を受けたのは彼だった。本当に不運である。
「ハリンを見ろ! あんなまるで聖者のような表情で湯につかっているじゃぁないか!」
「いやー、あはは……」
今の今まで水音一つ立てずに湯を堪能していたハリンが、苦笑しつつ頭をかく。さすが、しっかり者は一味違う。
……ハリンと言えば。
比較的近い世界線から来たというメテオは、先ほどから男湯と女湯を隔てる壁を凝視して静まり返っていた。こういう場では一番騒ぎそうな人物だと思っていたのだが……。
「……メテオ? どうしたんだ?」
「ああ、セモンか。いや……どうやったらあの壁、超えられるかなぁ、と思って」
……推測は間違ってなかったらしい。
何とまぁ、この少年も温泉イベントのお約束を忠実に実行しようとしているではないか。
「何考えてんだお前」
「だって! 男のロマンだろ!? 一回は塀を飛び越えて女湯を覗きたいって言うのは! 俺だけに限った話じゃねぇ! 俺は……俺はただ……己に与えられた役割を果たして見せるんだぁぁぁぁッ!!」
ネオぉぉぉぉぉおッ! と誰かの名前を叫びながら、メテオは飛び上がった。
「そうはさせるかぁぁぁぁッ!!」
「行かせねぇぞ!! シノンの裸は俺のモノだ!!」
「サナの裸はお前らに見せるわけねぇだろうがァァぁッ!!」
キリト、理央、雷斗が絶叫し、どこからか取り出した己の得物を抜きはらう。
「うおぉぉぉおっ!!」
メテオも半透明の片手剣をどこからか抜き放ち、大乱戦に至ってしまった。
「おいおいおい」
「どうするんだよコレ……」
「つーかメテオ使命感強すぎだろ」
唖然として、あるいは苦笑してそれを見守るのは、上から順番にセモン、ジン、ゼツ。
「かくなるうえは《錬金術》で……って、!?」
HPを犠牲にして物質を自在に操るスキルを行使しようとしかけていた理音が、異変に気付いて手を止める。
「なん、だ……?」
その殺気に、セモンの研ぎ澄まされた感覚も触れた。
発生源は――――風呂の中央。
唯のオブジェクトかと思っていた、ガーゴイル。
『――――風呂場ニオケル、レベル5以上ノ重大ナマナー違反ヲ確認。コレヨリ誅殺ヲ開始イタシマス』
びこーん、と、ガーゴイルの双眸に紅蓮い光がともる。右手に三叉の鉾を持って、背中の両翼をはためかせて。
風呂場の守護者は、マナー違反をした客へ襲い掛かった。
「ぎゃぁぁっ!!」
「うおわぁぁぁっ!?」
「メテオのせいだぞぉぉぉっ!!」
「いや
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