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101番目の舶ィ語
第十八話。始まりの終わり
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女の子は笑顔が似合うからね!」

「ふふっ、私まで口説いちゃうんだ。お兄さんったら」

「女性を幸せにするのに、年齢なんて関係ないからねっ!」

ヤシロちゃんに微笑みながらそう伝えると彼女は、身につけている帽子をつい、っとちょっと上げて。

「なら、期待してるよお兄さん。私の事も幸せにしてくれるっ、って」

帽子の下にある、とっても綺麗な顔でニッコリ微笑んでくれた。

「……え?」

だが、やっぱりその帽子の下にある顔に覚えがある気がして、俺は戸惑う。

「お兄さんのDフォンを、『8番目のセカイ』に接続出来るようにしといたよ」

「え、あ、ありがとう」

「ふふっ、それじゃあねお兄さん。バイバイっ」

ヤシロちゃんはそのまま手を振ると、スーっと空気に溶け込むように消えてしまった。
ロアには、瞬間移動や突然消える能力が標準装備されているのだろうか。

「……帰るか」

一人公園に置いてけぼりにされた俺はランニングしながら公園を後にした。
家の近くに帰ってくると、ヒステリアモードが切れた俺はアスファルトの上(道端)に四つん這いになり自己険悪に陥った。

(ヒス俺の馬鹿野朗ー??
何やっちゃってくれてんの??
何が「俺の大事な物語だよ」だ!
何が「女性を幸せにするのに年齢なんて関係ない」だ!
ああ、もう……死にてえ。
誰か俺にもう一度『羅刹』とか、『メリーさん電話』をかけてくれー!

糞、朝っぱらから変な女に『死ぬ』とか言われて、キスされてヒスった挙句に、魔女に襲われてプロポーズしちまうとか。ああ、チキショウー!二度寝してやるー??)
一人、内心で絶叫していると通りかかる人々に不審者を見る目で見つめられた。
ああ、なんつうか……不幸だ。
『幸せの前兆』とかの加護なんて嘘だな。
朝から女子達に絡まれるとか不幸としかいえんし。
プロポーズとか、誤解しか与えてないしな。




その後、帰宅した俺は宣言通りに二度寝したが、夢の中で和服を着た少女に話しかけらせるという不思議な夢を見る事になる。だが俺はその夢が新たな騒動の始まりだという事に、この時、まだ気づかずにいた。
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