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101番目の舶ィ語
第十八話。始まりの終わり
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「うん?
どうしたんだい、キリカ?」

「ちょっとモンジ君に聞きたい事があるんだ」

「私もあります」

黙ってキリカが喋るのを聞いていた一之江がそう告げた。

「瑞江ちゃんも?」

「ええ、おそらくキリカさんと同じ事です。
ですからキリカさんが言って下さい」

「うん。それじゃあ、私が聞くね」

「うん。何かな?」

「モンジ君。
そもそも君って結局、何者なのかな?」

俺に近づいて来ながらキリカは何が面白いのかニコニコ笑って、俺の顔を覗き込んできた。
魔女として、調べずにはいられない興味対象を見る瞳で。
その目で見つめるキリカは、少し機知に富んだ答えを求めているみたいだ。
でも、良かった。それには決まり文句があるからね。

「______ただの高校生だよ。わりと偏差値高めな、都市伝説(変わり者)が集まる学校のね」

俺がそう答えると、キリカは……
小さく笑ってくれた。良かった。良かった。
俺の背後からも「クスクス」と小さく笑う一之江の声が聞こえる。

「あはははははー!モンジ君ってやっぱり面白い!
うん、うん。君となら色んな物語が見れそうだね」

「そうか。じゃあ今回の件は、これにて一件落着、って事で」

「うん!それじゃまた、学校でね」

「ええ。私がいない時にコード探しとかはしてはいけませんよ」

キリカは、自分が生み出した霧に隠れるように消えて。
一之江は、まるで忍者のように音もなくいなくなっていた。
そして、早朝の公園に一人残された俺は……

「……ふう……どうなるんだろう。本当に」

背伸びをしながら呟いた。
一之江の『メリーズドール』の能力は、かなり半端ないものだった。
キリカの『魔術』や『知識』も、きっと凄いものなんだろう。
そんな2人と共に生きていけるのは心強いし、嬉しいのだが……。
『俺の物語』としては、どうなっていくのだろうか?
不可能を可能にする男(エネイブル)』の能力は凄かった……と思う。
思うが……まだ能力を把握しきれていない分の不安がある。
まだまだ底が知れない能力という不安が……。
それに、『101番目(ハンドレッドワン)の百物語』に至っては、意味不明だ。
普通の百物語なら解る。
だが、101番目の百物語って何だ?
百物語なのに、101番目の時点で異質だろ。

「どうなるんだろうな、本当」

「どういう物語にしていくのか、とっても楽しみだよ。お兄さん」

突然、真横からそう声をかけられて声がした方に振り向くと______

「や、やあ。ヤシロちゃん。おはよう」

俺の真横にヤシロちゃんが立っていた。

「おはよう、お兄さん。上手く2人をたらしこんだね?」

「ヤシロちゃんみ
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