第十八話。始まりの終わり
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「っ?? 貴女……」
キリカが凄く驚いた声を上げた。
同時に俺の背後には、ピッタリと寄り添う何者かの感触を感じた。
そう。これが俺が感じていた熱の正体。
それは、紛れもなく。
「もごもご??」
「え? 助けてくれたお礼にお嬢ちゃん、100万ほどあげよう?」
「もごもごもごもごーっ??」
「え? もっとくれるですって?」
「もごもごもごっ」
口が塞がれているせいで、一之江へのツッコミが出来ないのが辛い。
「貴女……もしかして瑞江ちゃん?」
「それは偽名ですが、概ねその通りです、キリカさん」
「雰囲気……すっごい変わるんだね、ロア状態の時って」
「なんせナイスバディで、なおかつ様々な所がチラリズムの塊ですからね」
「もごもご?」
「あははっ! そっか、モンジ君からは絶対に瑞江ちゃんを見る事は出来ないんだ。背後にいる存在だから」
「見た瞬間殺しますしね」
「もごーもごっ??」
明らかに助けに来たっていうタイミングでの登場なのに、あんまり助けに来たという空気がないのは一之江らしいな。というか、助けに来た筈なのに止めを刺しに来た感があるのは気のせいだよな?
いろいろとツッコミ所満載な一之江だが、少なくともナイスバディではない事は、以前抱きしめた時に解っている。
まあ、指摘したら刺されるから……確実に背中を刺してきそうだからしないがな。
「そっか、『月隠のメリーズドール』。それが瑞江ちゃんのロアなんだったんだね」
「はい。私は対象の背後に常に存在する事が出来るロアですから。つまり、このハゲの全身をどうにかするには、私をまずなんとかする必要があります」
「もごもごもごっ??」
「貴女の蟲達も、魔術も、基本的に『精神汚染』という形での侵略型。つまり、どこか一箇所でも貴女が侵食出来ない場合、相手を食べ尽くす事は出来ない……違いますか?」
「あはっ、どの辺りから気づいた?」
「モンジに好き好きアピールしまくったのは、後で『結局助からない』と絶望させるためだとみましたからね」
「もごもごもごもごもごっ??」
「貴方はちょっと黙っていてください蟲野郎」
「もごもご……」
どんどん酷い呼ばれ方をされてるな。
と、いうか一之江の声がやたら怒っているように感じるのは気のせいか?
今の言い方もまるで浮気現場に踏み込んできた奥さんみたいな感じだったし……いや、何を考えているんだ俺は?
一之江だぞ。毒舌ドS(見た目は)清楚なクール娘な彼女だぞ?
きっとあれだ。怒っているのはこ
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