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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
縁は連なりて
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その間、身の振り方について考える。
遅かれ早かれ、射命丸文とやらが執着を捨てない限り見つかるだろう。
彼女がもしあの白狼天狗と明確な繋がりがあるとすれば、報復の手伝いを請け負っている可能性だって捨てきれない。

「―――出かけてくる」

いつまでも閉じこもっている訳にもいかないし、此方から打って出てみるか。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


―――などと偉そうに言ってみたものの、最後の踏ん切りがつかずにいた。
見つけてもらいたいならば、人間の里のような人の出入りが激しい場所に行くのがもっとも最善といえる。
だが私はそうすることなく、郊外から更に離れた森で当てもなく彷徨っている。
私は一体、何を躊躇っている?

がさり、と私の足音とは別に草を踏む音が鳴る。
徐々に近づいてくるそれに警戒心を高めつつ、さして気がついていない振りをする。
尋ね人であれ此方に牙を剥く存在であれ、此方が気付いていないと判断すれば、目的相応のアクションを起こす筈。
背中から感じられる視線に、僅かに肩を強ばらせる。
しかし、そこから殺気は感じられない。寧ろこれは―――好奇心?
ただ見られているだけで、それ以上は何もしてくる様子はない。
そんな状況に薄気味悪さを感じつつも歩みは止めずにいると、ふとザラつきのようなものを感じる。
まるでビデオテープを一定まで再生し、巻き戻されているような―――そんな錯覚。
まさかとは思うが―――先程から視線を向けてくる者の仕業か。
一切の意図を掴ませず、罠に嵌めるか。だが―――

「―――ッ」

振り向くことなく投影した剣を視線の先へと投擲する。
数秒経っても物音一つしないことに不信感を覚え振り返ると、見当違いの方向に突き刺さっている剣だけがそこにある。
自惚れではないが、間違いなく投擲に失敗したということはない。
ましてや、剣が突き刺さる音がしないなど、ここまで異常が連続すれば嫌でも異常事態だと気付く。

「悪戯はそろそろ止めて貰おう。視覚を歪ませたところで無駄だ。敵意が無いのであれば、結界を解除して意思を示してくれ。そうでなければ―――」

再び剣を投影し、寸分違わぬ方向へと投げつけようとすると、

「ご、ごめんなさーい!」

「もうなにもしないから許して!」

二人の少女の鬼気迫る声色とともに、景色の違和感が解消される。

「………君達の仕業だったのか」

そこには、イリヤスフィールと同じ程度の外見年齢の少女が三人いた。
一人は金髪で赤が特徴的なエプロンドレスを着ており、一人は先程の少女よりも淡い金髪に縦ロールが目につく外見をしており、一人は黒髪ロングヘアーと大人しそうな面持ちの少女。
一見はただの子供だが、背中にある羽のような薄い膜が安易な思考を停止さ
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