第一話 幼女で洋女で養女なの?
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」
これにはなのはも苦笑い。
と、そんなやり取りを挟んで思春期にピッタリな真面目な話再開。
暗い表情でなのはが語り始めました。
「あのね、それも確かに将来のビジョンの一つではあるの。でもね、やりたい事が何かある気がするの、まだそれが何なのかはハッキリとはしないんだけど。ほら、私って特技も取り柄も特にないし」
「バカちん!」
と、思っていましたが、すぐに崩壊。
なのはのうじうじしたその考えにキレたアリサが、某三年B組担任の言いそうな事を叫びながらお弁当のおかずをなのはに投げ付けました。そしてそれは見事になのはの頬にべちゃりと直撃します。
「自分からそういう事言うんじゃないの!」
「そうだよ。なのはちゃんにしか出来ない事きっとあるよ」
「お前等は腐った蜜柑だ! あーあ、みんな死ねばいいのに!」
「あやめ、お願いだからちょっと黙ってなさい」
「いえすまむ」
なんだか喧嘩になりそうなのでボケてみたら胸倉を捕まれて脅されました。
「だいたいアンタ、理数の成績はこのアタシよりいいじゃないの! それで取り柄がないってどの口が言うの!」
そう言って、アリサはなのはの上にのしかかって、彼女の口に指を突っ込んでおもいっきり引っ張ります。
「わ、わわっ、ふ、二人ともっ」
見ているすずかはあたふた。
「ほら、もういっぺん言ってみなさいよ! ほらほら!」
「だ、だってなのは、文系苦手だし体育も苦手だし」
「『でもそんなわたし以下のアリサちゃんって……にゃはは』」
「何馬鹿にして笑ってんのよぉっ!」
「ち、ちがっ、今のは違うのっ!」
会話の途中で百八式まである物真似の一つ、声帯模写を使って更に混沌とさせてみました。
「二人共ダメだよっ! ねえ、ねえってばぁっ!」
すずかが止めるのも気にせずにアリサのなのは虐めが続くのを横目に、私は取り敢えず昼食を食べる事にしました。
☆
「あやめちゃん、危ない事があったらすぐに電話してね!? 光の速さで助けに行くから!」
「ほら、行くわよ、ば過保護なのは」
「絶対だよ!? 絶対だからね!?」
「ばいばい、あやめちゃん」
「あやめ、また明日」
「ばいばいですです」
「あ〜や〜め〜ちゃ〜ん!」
「なのは、うっさい」
そんなやり取りがあって放課後。
私は久しぶりに過保護な姉なしで一人で帰れる事になりました。と言っても家に帰っても両親は喫茶店。兄姉は剣術の稽古。暇になるのは明白です。
そんな訳で、授業中に読み終えた本を返すついでにまた新しい本を借りようと市立図書館へ。返却を終えてから新しい本を探す為に図書館内をさ迷います。
「………………」
そこで発見したのは車椅子の少女。
何やら高いところにある本を取ろうとしているが、届かないご様子。
「そこのお嬢さん、フランス書院文庫はこの棚じゃない
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