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無欠の刃
下忍編
秘密
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を見つめる。カトナと言えばカトナで、こちらも本来の負けず嫌いを発揮し、じっと見つめ返す。
 数分の間の後、自来也はうんうんと頷きながら、カトナの背中を勢いよく叩いた。
 わっと、その衝撃でいくらかバランスを崩したカトナの腰に携えてあった大太刀を、無理やり引き抜き、自来也はカトナの眼前に突き出していう。

「おぬし、自分の刀の本来の能力を引き出してみたことはあるか」
「え?」

 きょとんと、目を見開いたカトナは、自分の大太刀をしげしげと見る。
 本来の能力…といえば、まっさきに思いつくのがあの変形能力だ。
 チャクラの通り方次第で姿形を変える、まさに魔法みたいなもの。
 変形は約6種類ほどとれるようだが、カトナはその全てを使えるわけではない。
 今のカトナが使える限界は、大太刀の「黄昏」。短刀の「夕暮」。薙刀の「真昼」の姿だけである。
 普通の刀では備わっていない、その能力を何故目の前の男が知っているかを訝しがらず、カトナは自然とそれを思いつき、尋ねる。

「変形?」
「いや、違う」
「…音?」

 次に浮かんだのは、カトナが名前を呼べば、それはまるで呼応するかのように、それぞれがそれぞれ、独特の音を立てるのだ。
 これはカトナが名前を呼んで反応してたのではなく、名前を呼ぶという行為で微妙にチャクラの流れが変わり、それに敏感に反応しているようだと、今までの結果から分かっているが、それにしても、摩訶不思議なものである。
 が、どうやらこれもまた、自来也のお気にはめさなかったらしく、首を振られる。

 「瞬間移動?」

 最後に脳裏をよぎるのは、戦闘時にも大活躍している、謎の空間移動だった。
 カトナが名前を呼べば、もしくは赤い鞘・青い鞘から一定の距離以上、一定の時間離れれば、わざわざ取りに行かなくても、勝手に鞘に戻ってくるという能力。
 これもまた、特筆したものだ。
 鞘にも刀にも、どうやら内側に忍術の式が刻まれており、ある一定の条件を満たせば、問答無用で発動するらしいことは、分かっている。
 術式は、多分、四代目火影が使っていた、飛雷身の術の仕組みとほぼ同じだろう。
 それを言われているのかと、今度こそ正解と思ったカトナの期待を裏切る様に、自来也は首を振っていった。

「いいや、違う」
「じゃあ、なに」

 痺れを切らしたように言ったカトナに、慌てるなと言わんばかりに手を振り、自来也は言う。

 「その刀、封印式が込められているのは、知っとるか?」

 なっ、と目を見開いたカトナは、首を振る。
 そんなこと、まったく気が付かなかった。模擬戦で何度か、この大太刀をふるったことがあるが、封印式が作動した…なんてこと、一度もない。
 自分の目の前にいる男が何故気づけたかは知らないが、実
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