第67話 再生怪人が弱いと言う設定は割と通用しない場面もあったりする
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を掲げつつ驚愕を見せるエリザベスであったが、その表情からは一切表情が見て取れなかった。
「銀さん!」
「来るな、新八!」
新八の身を案じ来ないように促す。だが、その一言を放つ瞬間が似蔵にとっては重大な隙となってしまった。
「よそ見はいけないなぁ。よそ見は―――」
「!!!」
横目に映る似蔵のにやけた不気味な顔。そして迫り来る紅桜の脅威。完全に劣勢に立たされていた。こちらの攻撃は尽く跳ね返され、逆に向こうの攻撃はどうにか捌くだけでも全神経を使う羽目になる。まるで勝負にならない。
「ちっ、何が妖刀だよ。あの刀鍛冶めホラ吹きやがって。ありゃどう見ても生き者……いや、化け物じゃねぇか」
「人の事言えるのかいぃ? あんただって世間から見りゃ立派な化け物じゃねぇか。化け者同士仲良くやって行こうや」
「折角だが御免こうむるぜ。俺は例え死んだっててめぇにお義父さんなんて呼ばれたくねぇんだよ!」
「そりゃ残念。じゃ死んで貰おうかぃ? 白夜叉さ〜ん」
***
広大な宇宙を一隻の船が漂っていた。天人の飛来により飛躍的に文化が向上した今の江戸では宇宙旅行も出来るのである。
そんな宇宙を漂う船の中にて、一人佇む男の姿があった。ダークグリーンの派手な色の髪にそれよりも更に色の濃いジャケットを着こなし、サングラスにて素顔を隠している川上万斉は、両耳に嵌めているヘッドフォンから流れてくるメロディに至福の一時を感じていた。
「万斉殿、そろそろ次の場所に到着致します」
「……」
「万斉殿!!」
隣で怒号を挙げる浪人に気づいたのか万斉は片方のヘッドフォンを持ち上げて浪人の方を見る。どうやらそれほどの音量で聞いていたのだろう。耳に悪いので良い子は真似しないように。
「どうしたでござるか?」
「次の現場に到着しました。支度の方を宜しくお願いします」
「分かったで御座る。ところで、お主は知っておるか? 今江戸で話題のアイドル歌手寺門通の新アルバムが登場したのでござるよ」
「いや、そんなのどうでも良いんでさっさと降りる支度して下さいよ。頼みますよ万斉殿! 次の相手はさっき会談した春雨とは比べ物にならない位ビックな相手なんですからねぇ!」
「知ってるで御座るよ。例の……何でござったかなぁ? じ、じ、地獄耳観察日記でござったか?」
「あんた一体どう言う耳してんだよ! 時空管理局ですよ! しかもその将軍クラスの人との面会なんです! ただでさえ時間に厳しいんですから急いで下さいよ!」
浪人の慌て振りがさも面白く見えたのか、それとも今聞いている曲が気に入ったのか、理由は定かではないが万斉は半ば上機嫌で頷いて見せた。
先ほどの春雨との会談は上手く行った。今度は以前報告
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