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頭上の戦士
第一章
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機体を撃墜するには苦労している。太平洋でも日本軍が苦戦している。
「それでも。撃墜される時はされますからね」
「ドイツの連中も必死で来ますから」
「どうしてもですね」
「そうだよ。だからな」
 それでだとだ。機長は笑って話す。
「護衛戦闘機は有り難いよ」
「本当にね」
「連中がいるから俺達生きていられるし」
「今日も頼むよって言いたいですよ」
 頼もしい目でだ。彼等は自分達の上を飛ぶP−51の編隊を見ていた。彼等はアメリカ軍特有のへの字の編隊を組み上下にゆっくりと動いて飛んでいた。
 その彼等と共にだ。爆撃隊はドイツ本土に入った。すると暫くしてだ。
 まずは下からだ。歓迎の挨拶が来た。
 高射砲の砲撃だった。爆撃隊の下で派手に爆発が続いて起こる。
 それを見てだ。爆撃手がたまりかねた口調で言う。
「うわ、今日も派手に挨拶してくるな」
「安心しろ。ここまでは届かないからな」
 機長はこう言って爆撃手を安心させた。

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