最終楽章 祝福
終-3小節
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も遠慮しない。伸ばされた腕を受け入れて、こっちもジゼルを両腕に抱いた。
「帰ろう。あいつらもお前を待ってる」
「はい。わたくしも早くヴェルとリドウせんぱいに会いたいです」
元来た《穴》から、ぽーん、と弾き出されるように脱出。上手く立てずに床に転がるハメになったが、とにかく帰還成功。もちろんジゼルをしっかり抱いて。
「ユリウスさんっ」
「ほーら見ろ。大丈夫だったろ」
おいリドウ、何でお前が勝ち誇る。お前、何もしてないだろうが。
講壇をふり返った。プルートはもういなかった。礼の一つも言ってないってのに。せっかちな大精霊もいたもんだ。
「ジゼル……本当に貴女なの?」
ヴェルが膝を突いてジゼルに手を伸ばした。ジゼルは両手でヴェルの手を包んだ。
「ええ。わたくしですよ。心配かけてごめんなさい。――リドウせんぱいも、また会えて嬉しゅうございます」
「あっそ。そりゃよかったな。こっちはキリキリ舞いさせられたけど」
「そ、それは申し訳ありません」
すると、床に正座状態で小さく震えていたヴェルが、ジゼルに抱きついた。ジゼルは少しきょとんとして、嬉しそうに、男の俺とリドウには絶対に向けない笑顔で、ヴェルを抱き締め返した。
「ねえ、ジゼル。お願いがあるの」
「何? 何でも言って」
「思い出せたら教えてほしいの。あなたの本当に好きな食べ物や、好きな歌や、好きな色を」
「……ええ。貴女には真っ先に教えるわ。ヴェル」
〜Happy End!!〜
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