第十話
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て見慣れた敵。
来ている服こそ違うが、原作において、人類に試練を与えるために登場する敵。『災害』の一人、『ヴォルケイノ』の姿が、そこにはあった。
『Guruuuuuuuuu・・・!』
知性は有していないのか、獣のような唸り声を上げながら彼は葵を睨みつける。いつ襲いかかって来てもおかしくはなく、こんな場所で災害と戦うなどすれば、間違いなくなのはたちは死ぬだろう。
(・・・本当に不幸だ・・・)
だが、彼の口元は、笑っていた。
(不幸だが・・・いい敵じゃねえか・・・!)
アリサやすずかがいるときに出会ったのは不幸でも、彼の目的を考えれば、むしろ歓迎出来る結果だ。彼は決意した。
(この戦いで、階段を昇る!)
進化は、意思だけでは出来ない。ある一定までは執念や気合で昇る事も出来るが、そこから先は、あのシャノン・ワードワーズですら、一人で昇る事が出来なかった。敵が必要なのだ。今の全力を振り絞って、それでも勝てないような敵が必要なのだ。リリカル世界で、彼の命を脅かすような敵などそうそう出てこないと半ば諦めかけていたが、嬉しい誤算と言えた。
「なのは、結界を。俺だけが奴と戦う。なのはは残って、アリサとすずかを安全な場所へ。」
「え・・・?」
「早くしろ!」
有無を言わさず、なのはに結界を貼らせた。その瞬間、葵とヴォルケイノが世界から消える。そこに残されたのは、呻く不良グループとなのはたちのみになった。
遠くからサイレンの音が聞こえる。アリサはなのはに質問したいことが山ほど合ったが、なのはは響くサイレンの音にテンパっており、話を聞ける状況では無かった。このままでは警察に捕まってしまう。そうすれば、事情聴取もあるだろう。誤魔化しきれる自信など、彼女には微塵も無かったのだ。
「・・・任せて。」
「え?」
そこで、先程まで俯いて黙っていたすずかが声を出す。その手には、携帯があった。
「私が何とかする。・・・だから、私の家に着いたら、ジックリ、詳しく・・・話を聞かせてもらうからね?なのはちゃん。」
「は、はい!」
そう言って、頷くしか無かったなのはであった。
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