暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico6優しくない世界〜The Fate of Rusylion〜
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ム式の氷雪系魔術。それにはもちろん驚いたが、今はそれに気を取られていられない。

――轟風暴波――

カローラ姉妹の容赦ない攻撃によって身動きが取れなくなり始めたアムティス。このまま押し切るのか、と思ったところでアムティスの頭上に広がる雲海より湖面へと向けて流れてきた爆風。アムティスと戦っていた隊員たちを吹き飛ばし、そしてクアットロをも呑み込んだ。ここで映像がプツンと途切れた。

「ドクター。クアットロは・・・?」

「無事さ。私の娘たちは頑丈(つよい)からね。今ドゥーエとチンクに迎えに行ってもらっているよ」

「そう・・・か。ありがとう、ドクター、ウーノ。見せてくれて。俺、少し用事が出来たから、あとから来るなのは達に――」

「構わないよ。私から伝えておこう」

ドクターに頭を下げ、俺はスカラボを後にする。目指すのは、「リアンシェルト・・・!」俺とシェフィの娘、リアンシェルトの居るであろう運用部オフィス。もしくは、最高評議会のところか。虱潰しに捜してくれる。
まずは運用部のオフィスだ。各部署のオフィスが集中している本局セントラルタワーはエレベーターホールに向かい、そこのエレベーターに乗って上層階へ。そして運用部オフィスの在る階で降りる。

「あら? ルシル君・・・? 今日は捜査課の仕事は休みよね」

「こんにちは、ガアプ課長。それでは」

エレベータールホールを出ようとしていたところ、俺たち八神家とシャルが世話になっている特別技能捜査課の課長、クー・ガアプ一等空佐とバッタリ会った。俺は小さく会釈して、ガアプ課長の側を通り抜けようとした。

「待ちなさい」

「何でしょうか?」

制止の声と一緒に俺の左腕を掴んで来たガアプ課長に振り返る。ガアプ課長が「どこへ行く気です?」俺の行き先を訊ねてきたから、「申し訳ないですが教えなければならない理由が解りません」と返す。今は一刻も早くアイツの元へ行きたい。だから邪魔しないでくれ。

「そんなに殺気立って(・・・・・)いるあなたを素直に行かせるわけにはいかないわ。判っていないようだから教えてあげます。ルシリオン君。今のあなたの顔、酷いわよ。怒りの色いっぱいで、その殺気を向けている相手と会えばそのまま手を掛けそうな程の・・・!」

そう言われた俺は空いている右手で自分の顔に触れる。そして「そこまで酷かったですか?」とぽつりと漏らす。ガアプ課長は「・・・ええ。けど、もう落ち着いた?」俺の左腕を離し、俺の前で身を屈めて俺の目を覗き込んできた。ガアプ課長の済んだ空色の瞳に俺が映っている。少し憔悴しているか。ならさっきまでの俺の顔は、一体どんなものだったんだろう。

「ご迷惑をおかけしました。だけどもう大丈夫です」

暴走しそうだった俺の気を静めてくれたガ
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