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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第16話 「在りし日の約束」
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葉に詰まる鈴。まあ、千冬さん相手じゃそれは難しいだろうな。あの人じゃ余程正当性のある理由がない限り、部屋割りの変更なんて認めないだろう。色恋沙汰なんて歯牙にも掛けないに違いない。鈴もそれを分かっているからこそこんな手段を選んだのだ。
「と、ところでさ、一夏。約束覚えてる?」
「約束?」
あ、露骨に話逸らしやがったな。まあ、約束とやらに興味もあるし、大人しく静観しておくとしよう。
「う、うん。覚えてる・・・よね?」
「えーと・・・。」
思案に耽る一夏。鈴も気が気でないようでモジモジしながら上目遣いで一夏を見ている。ふむ、鈴の様子からして色恋沙汰であることは間違いないようだが・・・。
「ああ、あれか?鈴の料理の腕が上がったら毎日酢豚を・・・」
「そ、そうっ!それ!」
「・・・奢ってくれるってやつか?」
「・・・はい?」
一夏の返答に、思わず目をパチクリさせながら唖然とする鈴。どうやら一夏の思い違いらしい。確かに、小学生か中学生がそんな大仰な奢りの約束を交わすとは到底思えないが。箒の方を一瞥する。彼女も状況を把握できていないようだ。
「だから、鈴が料理できるようになったら、俺に飯をごちそうしてくれるって約束だろ?いやぁ、一人暮らしの身にはありがたい・・・」
バチンッ!
一夏の言葉が終わる前に、鈴の平手打ちが一夏の頬にクリーンヒットした。おお、見事な紅葉模様。突然の出来事に一夏はフリーズしている。
「最っ低!女の子との約束をちゃんと覚えてないなんて、男の風上にも置けない奴!犬に噛まれて死ね!」
「何で怒ってんだよ!ちゃんと覚えてただろうが!」
「約束の意味が違うのよ!意味が!」
売り言葉に買い言葉で一夏と鈴が口喧嘩を始める。うーむ、両者の反応を見るに約束自体は覚えていても、その意味の捉え方が食い違っているようだ。そんな複雑な約束をしたのか?んー・・・?
「だから説明してくれよ。どんな意味があるってんだ?」
「せ、説明って・・・。そんなこと、出来るわけないでしょうが・・・。」
このやり取りを見て、俺と箒はようやく約束の真意に気づいた。おそらく、鈴はこう言ったのだろう。
『料理が上手になったら、毎日あたしの酢豚を食べてくれる?』
大概の人間が聞けばすぐに気づく、テンプレのような告白だ。「味噌汁」がチャイニーズらしく「酢豚」に変わっただけ。しかし、鈍感という文字を体現したような存在である一夏は、それを言葉通りに受け止めたのだろう。呆れてものが言えない。
「・・・じゃあこうしましょ。来週のクラス対抗戦、勝った方が負けた方に一つ言うことを聞かせられる。」
「おう、良いぜ。俺が勝ったら意味を教えてもらうからな。」
この男はまた勢い任せに安請け合いしやがって。今の
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