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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第16話 「在りし日の約束」
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勝負の頼み事、決まりましたよ。」
「ほう。言ってみろ。」
「えっとですね・・・。」

IS学園の片隅、静寂に包まれた猛者同士の決闘は、まだまだ終わりそうになかった。



「ふう・・・。良い汗かいたなぁ。」

千冬さんとの特訓を終えた俺は、自室に戻るために学生寮の廊下を歩いていた。夕食の時間も過ぎ、寮は静まり返っている。まあ活発な女子たちのことだからどこかの部屋に屯ってるだろうが、防音設備の整った部屋はその喧騒を伝えなかった。

(尾行は・・・、ないな。)

あの盗聴機の件以降、更識 楯無からの接触はない。警戒するのも面倒だし、面会するならさっさと済ませてもらいたいものだ。国家代表クラスの手練れなら戦うのも吝かではないというのに。

「ん?ISの反応・・・?」

一夏の部屋の前を通る時、《武神》が警戒音を鳴らす。改めて《武神》のヘッドギアを部分展開し、超高感度ハイパーセンサー『天眼』のみを起動させる。

「・・・やはり間違いなくISの反応だ。」

しかも、《白式》でも《ブルー・ティアーズ》でもない。護衛対象のいる部屋で正体不明のIS反応。どう行動するか、考えるまでもないだろう。

「入るぞ。」

鍵がかかっていないのを鍵穴から確認し、ノックもせずに勢いよくドアを開けて部屋の中に突入する。そこにいたのは・・・。

「な、何よ!いきなり入ってこないでよ!ビックリするじゃない!」
「・・・鈴?」

セカンド幼馴染み、凰 鈴音が玄関先に立っていた。右腕にISが部分展開されている。その先には驚いた表情の一夏に竹刀を握りしめた箒。・・・なるほど、把握した。

「失礼した。ISの反応がしたもんだから非常事態だと思ってな。特に異常はないようで何よりだ。・・・それと箒、竹刀はむやみやたらと振りかざすものではないぞ。」
「・・・うむ、すまない。」

今考えれば、仮に敵襲なら一夏が《白式》を展開して抵抗しているはずだ。疲れで頭が鈍ったか。我ながら情けないものだ。しかし箒が竹刀を持ち出すほどの事態、あまり穏便な状況でないことは確かだな。

「で、鈴はここで何してるんだ?」
「この者は、いきなり部屋を訪れて部屋を替われと言うのだ!図々しいにも程がある!」
「何よ。あたしが替わってあげるって言ってるんだから、大人しく替わりなさいよ。」

・・・なるほど、これは箒が怒るのも無理はない。自分が好きな人とルームシェアしてるところに、何の理由もなく他人から部屋を替われと言われたら癇に障るだろう。まったく、無駄に元気だな、この中国代表候補生は。

「鈴、気持ちは分かるがそれなら寮監を通すのが筋だろう。織斑先生のところに行ってこい。許可が下りたらまた来ると良い。」
「うっ・・・。それは・・・。」


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