第2章 風神竜と謎の男
第8話 圧倒的な力
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ら、と言うだけではない。
あのカードは絶対に手放してはいけない。先程の男と接触した時から、遊雅の心中にはそんな感情が芽生えていた。
「母さん、やめておけ。こいつは俺に似てる奴だからな。こうだ、と決めたら折れないだろう」
「お父さん!遊雅が危ないのよ!?」
「本人がぶっ倒してやると言っているんだ。それだけの自信があるって事だろ?」
遊雅の目をまっすぐに見据えながら、父親はそう遊雅に訊ねた。
力強く頷いた遊雅を見て、父親は顔を綻ばせる。
「なら、俺はもう何も言わんよ。遊雅、お前の夢は、最強のデュエリストだもんな」
「ああ」
「それなら大丈夫だ」
「お父さん!」
「暴行を受けたわけでもない。遊雅が挑まれたのはデュエルだ。ならこいつが強くなれば、それで解決だろう?」
「……どうしてそんなに楽観的なのよ」
「別に、楽観的だと言う意識はないさ。母さんも、遊雅を信用してやれ。俺達の応援が、何よりこいつの力になるはずだ」
「……遊雅」
父親の信頼の眼差しと、母親の不安の眼差しが交じり合った視線が、遊雅に向く。
遊雅はそれを、真正面から受け止めた。
「母さん、大丈夫だよ。俺は誰にも負けないから」
「……そう。思えば、小さい頃からあんたが大人しく言う事聞いた事もなかったわね」
「そう言えばそうだ。全く、嫌な所が似てしまったもんだなぁ」
2人はそんな事を言いながら笑っている。
遊雅も少し複雑な気分ではあったが、ひとまず、信頼を勝ち取れた事を喜ぶ事にした。
暫くしてから、母親が夕食の準備をする為にキッチンへ向かう。
遊雅も一旦、自分の部屋に戻る事にした。
「……よしっ」
決意は確固たる物になった。
後は、自分が強くなるだけだ。
遊雅は自分のデッキの上に手を置いて、気を引き締めた。
最強のデュエリストになってやると言う気持ちは、よりいっそう強くなったのだった。
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