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戦友
第四章
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のであった。彼の好きな紅茶を。
「紅茶なの?」
「コーヒーじゃなくて」
「わしは紅茶だろう?」
 こう彼等に言い返すのだった。座った後で。
「コーヒーはやらんだろ、昔から」
「まあ確かにね」
「それはね」
 彼等もよく知っていた。伊達に家族をやっているわけではないのだ。
「だったら。紅茶をな」
「わかってるよ」
「じゃあ紅茶淹れよう」
「コーヒーもね」
「飲み物まで変わったものだ」
 ここでも時代が変わったことを実感するアルフレッドだった。彼の時代は紅茶だけだった。しかし今は違っていた。彼の国でもコーヒーを飲むしココアを飲む者もいる。それもまた変わったのだ。
「まあいい。では紅茶をな」
「わかったわ」
「おっ、いい香りがするな」
 ここでであった。不意に誰かの声が部屋の中に入って来た。
「いい豆を使っているらしいな」
「んっ!?」
 アルフレッドはそれを聞いてふと何かを思い出した。懐かしい何かを。
「この声は」
 聞き覚えのある声だった。遥かな昔に。かなり低くはなっていたがそれでもであった。その声は彼の記憶に訴えかけるものであった。
「そっちでもコーヒーを飲むことになったとは聞いていたがな。中々趣味がいいんじゃな」
「御前は・・・・・・まさか」
「んっ!?」
 アルフレッドが声をあげると向こうもそれに気付いたらしい。顔を彼に向けてきた。

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