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ハイスクールV×D ライド11
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険だからと言う理由で四季に置いて行かれるのをよしとする訳が無い。

「一緒に戦おう、マイ・ヴァンガード」

 恋人となった日から、共に戦うと決めた日から、決めていた筈だ。どんなに強い相手でも二人ならば負けない。
 詩乃が間違えたなら自分が正す、自分が間違えたなら詩乃が正してくれる。二人が間違えたのなら……間違いに気付いた方が止めてくれる。どんな道でも二人でなら歩いていける。

(……まあ、その前にオレが切り伏せるか)

 それに仮にターゲットがコカビエルだとして、次の行動を推測する。エクスカリバーの強奪が天使側との戦争の為の火種となる事だとすれば……次の行動は悪魔側との戦争の火種を作る事だろう。

(そうなると、一人で残しても詩乃が危険って言う可能性もあるか)「ん? 雨か」

 頬に当たる冷たい水滴。空を見上げると黒く染まった空から雨が降り出していた。それはまるで四季の予想……不安が的中していると告げている様だった。





―パァンッ!―


「どう? 少しは目が覚めたかしら」

 体育館の渡り廊下に雨宿りの為に入ると其処に居たリアスが木場の頬を平手で叩いていた。

「対抗戦、優勝は出来たけれど、チームが団結しないとならない場面で終始貴方は心此処に有らずだったわ。一体どうしたの?」

 拙い所に出てしまったと思う中、治療を終えたらしい一誠達もその場面に出くわしてしまう。

「……木場」

 死んだような目で項垂れている木場の姿を見て一誠が疑問に思う。

「大会では申し訳ありませんでした。調子が悪かったみたいです」

 作り笑いと分かる笑顔で木場はリアスへと謝罪を告げる。

「もういいですか? 球技大会も終りましたし……。少し疲れましたし、暫く部活も休ませてください」

「おい、木場。お前……」

「五峰くん」

 そう言ってリアスの前から立ち去ろうとする木場を呼び止めようとするが、木場はそれよりも早く四季の姿を見て四季へと声をかける。

「何の用だ?」

「うん、大した用じゃないんだ。君に一つお願いが有ってね」

 濁った瞳で四季を見つめる木場の視線。それに恐ろしい物を感じたのか詩乃が一歩下がるが、四季が彼女を庇うように前に出ると、彼女は四季の手を握る。

「お願い?」

「……全てが終わればどんな代償でも払うから、ぼくに譲ってくれないかな……」

 憎悪と復讐心で濁った目で四季を見据えながら木場はそう告げる。

「君の魔剣を」





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